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相手に「どうしたら笑顔になるかな、というスタンスで接する」のは、健常者同士でも効果があるはずですね。

滋賀県甲賀市の福祉施設「やまなみ工房」。
施設利用者が作る「アート」が注目されています。

その活動が始まったのは、職員から見たら「作業中の余計なイタズラ書き」だったのを、描いてる本人の楽しそうな表情に気づいたこと。
そこから、施設長の山下さんが彼らがどうしたら笑うか、喜ぶか、を考えた結果だそうです。

そのスタンスが素敵な作品を生み出すことはもちろん素晴らしいですが、それを特別なことと考えず、すべての人の普段の生活がそうであればみんながHAPPYですよね(^^)。

自分が我慢したら継続できないけど、お互いを尊重できるように私自身も努力し続けたいです。

世界中のアート関係者から注目を集めている福祉施設「やまなみ工房」。独創的なアート作品が生み出される原動力は、施設長の山下完和さんが守り続けているひとつの信念にありました。それは、“ごく普通の日常”。施設の開所から37年、工房がたどり着いたアートと施設の「理想の関係」を見つめます。

(略)

やまなみ工房ができたのは37年前。当時は衣類のホックなど、1個1円にも満たない部品を組み立てる内職を請け負っていました。

しかし、作業にストレスを感じる利用者も多く、外へ飛び出す人もいて、地域の目は冷ややかだったといいます。

「例えば、『あそこに行ったら怖いよ。何するか分からないよ。悪いことしたら、あんたもあそこへ入れるよ』とか。大勢の人が一人の子どもに向かって『やーいやーい、やまなみ・やまお』みたいなね。(やまなみ工房は)侮辱的に使われていたんですよ」(山下さん)

そんなある日、利用者の三井啓吾さんの様子に山下さんは目を奪われます。

「啓吾くんが作業中に落ちていた紙を拾って、その辺に転がっていた鉛筆を握って、うわーって描いているんですよ。僕らからしたら、仕事中に何てことしてるのっていう話。でも、そのときの啓吾くんの顔を見たときに、まったく別人というか、キラキラしていたんですよね。彼らは彼らのやりたいこと、彼ら一人ひとりに生き方があり、楽しみがあり、好きなこともある。彼ら自身が最も笑顔になれることをしよう(と思った)」(山下さん)

「彼らがやりたくないことを強制していたのではないか?」と考えた山下さん。 間もなく内職の仕事をやめました。

そして、「外で遊んでもいい」「絵を描いてもいい」「何もしなくてもいい」と方針を変えると、利用者から笑顔がこぼれるようになりました。

35年前、やまなみ工房が方針を変えるきっかけを作った三井さんは、以来、ずっと夢中で絵を描き続けています。

「施設にアートを取り入れようとか、施設をアート化しようとか、彼らにはアートがいいなんて全然思っていませんでした。ただ、『どうしたら笑うかな』『どうしたら喜ぶかな』という延長にあって、今も続いているだけです。それがいつの間にか『アート』と呼ばれているだけです」(山下さん)

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