月収56,800円生活 [黒糖づくり]
日付をまたいだ安定しない生活により、昨日からの続きを書く事になった。
宜野座村のサトウキビ畑に分け入って入る。
今日、僕らはサトウキビ狩りをする事になっているからだ。
事の発端はHell型のモタ狼からの誘いだった。
「現在、伝統的な製法での黒糖作りをしてる人は沖縄には2人しかいないらしいのですが、その内の1人の人が宜野座に居るらしく、ネオポゴタウン向かいにあるタイムレスチョコレートのユウシくんがそこで手伝ってるらしいんすよ。なんか見学できるみたいだけど行きます?」
その時は二つ返事で「行きたい」と言ったが、数日後に5時半に宜野座集合と言われ心が折れかけたものの、他にも行きたい者たちが集い、寝ずのカタンをして夜を越した。
行く人は、僕、モタ狼、ヤマちゃん、マリ、ラーメン丸、ノブくんの6人。
ちなみに、ナルトくんは断固として行かないと拒否していた。
畑到着
さとうきび畑を分け入って奥へ進む。
目的地に到着しサトウキビの刈り方を教えてもらう。
通常のカマも使うが、上の写真のカマがものすごく使いやすかった。
二又になった部分でサトウキビの葉を落とし、先端に近くなるにつれ糖度が落ちるらしいので、腹の方で余分な部分を借り落とす。
ちなみに、緑が濃ければ甘味も強いらしい。
ひとしきり刈って次は製糖するための場所へ向かう。
このタイミングでラーメン丸とマリは帰ることに。男だけが残った。
この部屋で刈ったサトウキビを水で洗い、奥にある機械でサトウキビをすり潰す。
すりつぶされたサトウキビの汁だけがポリバケツに溜まっていく。
窯を丁寧に洗う。
火を焚く
先ほど絞ったサトウキビの汁を鍋に入れるが、例えようのないものすごい色をしている。
この時は誰にも何も言わなかったが内心かなり不安な気持ちだった。
火力が強すぎると泡立って釜からマグマのように溢れ出すので、火の加減をみなければいけない。
棒で練りながら液体の色や粘度を何度も確認する。
気付いたらちゃんと黒糖の色になっていた。
ここから、さっきの棒でこねくり回す。なるべく空気を入れたほうが良いらしい。
ひたすらグルグル回し続ける。
ちなみにこの棒は棒術の棒らしい。
宜野座村では伝統的に棒術が伝えられていて、村の多くの男性が棒術を習っているのだとか。
みんなで交代ずつ練りまくると、硬くなっていくのと同時に色も変化してきた。
この黒糖作りの主の渡久地さんいわく、「花が咲いた」ので、とても美味しい黒糖になると言った。
この黒糖は黄金糖とも言われるもので、琉球王朝時代の文献にも載っていると言っていた。
このような色になるためには、一定の条件が揃わないと作れないらしく、渡久地さん自身も狙って作ることは難しいと言っていた。
温かい内に食べたそれは、黒糖特有のクセはなく、白糖のような攻撃的な甘さもなく、それでいてまろやかなコクがある不思議なものだった。高値で取引される意味が分かる気がした。
そんなこんなで僕らの職場体験は終わりとなって、充実した1日だと思って帰ろうとしたら、時刻はまだ朝の10時半だった。
公園の一画をヤギ小屋や犬小屋を置いて私有地化してる気になるおじいさんの事とか、1500万円かかる祭りのほとんどが酒代に消えているとかって面白い話も見たり聞いたりしたけど、今日は黒糖作りの話に絞った。
その後
帰りはやたら景色の良い沖縄そば屋で食事をし、ネオポゴタウンに着いて早々深い眠りについた。16時頃にマリが来て起きたが、しばらくして19時くらいにもまた寝た。
それからデザインの仕事をしたり日記を書いたりしていると今は朝の9時15分。
1日1日の感覚が曖昧である。もう僕に24時間という概念は通じなくなってきている。
とりあえず寝る。