ISOの審査とは?審査費用や審査の流れ、審査機関についてわかりやすく解説!
1.ISOの審査とは
ISOの審査の種類
ISOの審査は、国際標準化機構(ISO)が定めた基準に基づいて、企業や組織がその基準を満たしているかどうかを確認するために行われます。ISOの審査にはいくつかの種類がありますが、主なものは次の通りです。
登録審査
初めてISO認証を取得するために行われる審査です。組織がISOの基準を満たしているかを確認し、認証を与えるかどうかを判断します。サーベイランス審査
これは、ISO認証を維持するために定期的に行われる審査です。通常、1年または2年ごとに実施され、組織が引き続きISOの基準を満たしているかを確認します。更新審査
ISO認証の有効期限が近づいた際に行われる審査で、通常3年ごとに実施されます。組織が今後もISOの基準に沿った活動を続けられるかどうかを判断し、認証の更新を行います。
2.ISOの審査機関(認証機関)とは
なぜ審査機関を選ぶ必要があるのか
ISOの審査を受ける際には、第三者機関である「審査機関(認証機関)」を選ぶ必要があります。これは、組織自らが基準を満たしていると判断するのではなく、外部の専門家に確認してもらうことで、より信頼性の高い認証が行われるためです。審査機関が行う審査によって、企業は顧客や取引先に対して、基準を満たしていることを証明できるのです。
審査機関を選ぶポイント
審査機関を選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。まず、その審査機関が信頼できるかどうかです。ISO認証を発行する機関は、国際的な基準に従って審査を行う必要があり、その機関自体が適切に認定されていることが重要です。また、審査機関の経験や専門分野も考慮すべきポイントです。自社の業界に精通した審査員がいるかどうかを確認するとよいでしょう。
審査機関の変更は可能?
一度選んだ審査機関を途中で変更することは可能です。しかし、変更には手続きや新たな審査が必要になる場合があり、コストや手間がかかることがあります。そのため、最初に審査機関を選ぶ際には、慎重に選択することが大切です。
3.ISOの審査にかかる費用とは
登録審査
初めてISO認証を取得する際の「登録審査」には、通常最も多くの費用がかかります。審査にかかる時間や規模、企業の規模によって費用が異なりますが、数十万円から数百万円が一般的です。
サーベイランス審査(維持審査、定期審査)
ISO認証を取得した後も、その認証を維持するためには定期的に「サーベイランス審査」を受ける必要があります。この審査では、引き続き基準が守られているかどうかが確認され、維持審査の費用は登録審査よりも少し低めですが、年に一度の支出として考える必要があります。
更新審査
ISO認証は通常3年間有効で、その後は「更新審査」を受ける必要があります。更新審査も、サーベイランス審査と同様に、基準が維持されているかを確認するためのものですが、より詳細な審査が行われるため、費用はサーベイランス審査よりも高額になることがあります。
4.ISOの審査で不適合になる場合とは
軽微な不適合
審査中に見つかる問題のうち、比較的軽いものは「軽微な不適合」として扱われます。軽微な不適合は、すぐに修正できるものであり、通常は認証の取得や維持に大きな影響を与えません。ただし、これらの不適合も放置すると、後々の審査で重大な問題となる可能性があるため、早期の対処が必要です。
重大な不適合
一方で、「重大な不適合」は、企業の活動がISOの基準を大きく外れている場合に指摘されます。これが指摘されると、認証の取得や更新が保留されることがあり、場合によっては大幅な改善が求められます。重大な不適合が指摘された場合は、迅速かつ確実に改善策を講じることが必要です。
不適合=取得不可ではない
不適合が見つかったからといって、ISO認証を取得できないというわけではありません。不適合が指摘された場合でも、それを改善し再度審査を受けることで、認証を取得できる場合がほとんどです。審査はあくまで組織の改善を目的としたものですので、積極的に改善を進めることが大切です。
5.ISOの審査は継続的改善のために実施される
ISOの審査は単に基準を満たすためのものではなく、組織の「継続的な改善」を目的としています。ISOの基準に沿った活動を続けることで、品質や安全性、環境対応など、さまざまな面で企業のパフォーマンスが向上します。定期的な審査を通じて組織の弱点を洗い出し、改善策を講じることで、長期的な成長と信頼の向上が期待できるのです。
ISO認証は、一度取得して終わりではありません。常に改善を続ける姿勢が求められ、それが結果的に組織の成長に繋がります。審査を受けるたびに得られるフィードバックを活用し、さらに高い品質やサービスを目指していきましょう。
このコラムでは、ISOの審査に関する基本的な情報を初心者向けに解説しました。審査は組織にとって成長のチャンスでもあり、積極的に取り組むことで大きな成果を得ることができます。