ISOの内部監査とは?内部監査チェックリスト作成のポイントと監査の進め方を解説!
1. ISO規格の内部監査とは
内部監査の目的
ISO規格の内部監査とは、企業がISOの規格に基づいて、業務が適切に運用されているかを確認するプロセスです。内部監査の目的は、会社全体の業務プロセスがISOの基準に合致しているか、また効果的に機能しているかを評価することにあります。これにより、会社は現状の改善点を見つけることができ、より効率的な運営を目指すことができます。内部監査は、外部の審査機関による監査と違い、社内で実施されるものですが、非常に重要な役割を果たします。
2. 内部監査のチェックリストを作成するメリット・デメリット
メリット
内部監査をスムーズに進めるために、チェックリストを作成することは多くのメリットがあります。まず、チェックリストを使うことで監査が漏れなく行われる点が大きな利点です。ISOの基準は複雑で多岐にわたるため、チェックリストがあれば重要な項目を見逃さずに監査を進めることができます。また、監査の進捗を確認しやすく、どの項目が完了しているか、どこに改善が必要かが一目でわかります。さらに、複数の監査員がいる場合でも、同じ基準で監査を進められるため、統一性を持たせることができます。
デメリット
一方で、チェックリストの作成には時間がかかるというデメリットもあります。また、あまりに形式にこだわりすぎてしまうと、現場の実際の状況を見逃してしまうこともあるかもしれません。チェックリストに書かれていることだけを確認することに集中してしまい、現場の柔軟な対応や創意工夫が見えにくくなるリスクもあるため、注意が必要です。
3. 内部監査のチェックリストの作り方
チェックリストを作るポイント
チェックリストを作成する際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。まず、ISOの規格に沿った項目をしっかり反映させること。各規格に特有の要求事項があるため、それを反映させたチェックリストにする必要があります。次に、具体的かつ簡潔な質問形式にすることで、監査の際にスムーズに確認できるようにします。また、現場の実情に合わせて、柔軟に対応できる項目も盛り込むことが重要です。
チェックリストの内容
チェックリストには、ISO規格の各要求事項を反映させた内容が含まれます。例えば、ISO9001では、品質方針や目標の設定、顧客満足度の評価、リスク管理の実施状況などが主なチェックポイントになります。また、ISO14001では、環境影響の評価や法令遵守状況、廃棄物管理などが確認対象となります。それぞれの業界や規格に合わせた内容を考慮することが大切です。
4. 内部監査の進め方
1. 内部監査員の育成
内部監査を成功させるためには、まず監査を行う内部監査員を育成することが重要です。ISOの規格を正しく理解し、監査を効果的に進めるためのトレーニングが必要です。監査員は、ISO規格に加えて業務の実態にも詳しくなければなりません。さらに、監査員にはコミュニケーション能力や客観的な視点が求められるため、それらのスキルを磨くことも大切です。
2. 内部監査計画を立てる
監査を成功させるためには、事前の計画が欠かせません。どの部署やプロセスを対象にするか、監査の目的やスケジュールを明確にすることが重要です。監査計画には、具体的な監査日程や監査員の割り当て、監査の対象範囲が含まれます。また、監査対象の部署や関係者には、事前に通知を行い、協力を得やすい状況を作ることも大切です。
3. 監査を実施する
監査が始まったら、計画に基づいて現場の確認を進めます。チェックリストを活用しながら、対象となる業務プロセスや文書、手順がISO規格に適合しているかどうかを確認します。監査員は、現場の状況やスタッフの対応をしっかり観察し、問題があればその場で指摘します。また、現場で得た情報や証拠をもとに、記録を残しておくことが重要です。
4. 監査報告を実施する
監査が終わったら、結果を報告するための監査報告書を作成します。この報告書には、監査中に見つかった不適合や改善点、良い点などを明記します。報告書は経営層や監査対象の部署に提出され、その後の改善活動の基礎となります。また、報告はできるだけ具体的で、誰が何を改善すべきかがわかりやすい内容にすることが大切です。
5. フォロー活動の実施
監査報告をもとに、不適合や改善点が指摘された場合、その対応策が適切に進んでいるかフォロー活動を行います。改善策が実施されているか、問題が再発していないかを確認することで、監査の結果を有効に活用できます。フォローアップは、次回の監査にもつながる重要なステップです。
5. まとめ
ISOの内部監査において、チェックリストの作成とその活用は、非常に重要な役割を果たします。チェックリストは監査の効率を上げ、重要な項目を漏れなく確認するための便利なツールです。また、監査員の育成や計画的な監査の実施、フォローアップなど、全体を通じて組織の改善を促進します。ISO初心者の方でも、基本を押さえた内部監査を行うことで、ISOの運用がより効果的になります。