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ISO認証取得の必要性とは?デメリットやメリット・認証取得の流れについても解説!


1. ISOとは


ISO(国際標準化機構)は、世界中の企業が共通して守るべきルールや基準を定める国際機関です。ISO認証を取得することで、企業はその基準を満たしていることを証明できます。たとえば、製品の品質やサービスの管理体制を、世界中どこでも同じ基準で評価できるようになります。

ISO認証の仕組み


ISO認証は、第三者機関が企業のマネジメントシステムを審査し、基準を満たしているかどうかを確認する仕組みです。基準をクリアした企業には認証が発行され、これにより取引先や顧客から信頼されることが期待されます。

JIS規格との違い


JIS(日本工業規格)は日本国内の基準で、ISOは世界的に通用する国際基準です。JIS規格は国内向けですが、ISOを取得すれば国際市場でも評価されやすくなります。ISOはグローバルな企業にとって特に重要です。

2. 1000人の経営者に聞いたISO認証取得の必要性

4割の企業が「課題対策にISOを取得」


企業はさまざまな課題に直面します。例えば品質管理、コスト削減、顧客満足度の向上などがあります。ISOを取得した企業の約4割が、「これらの課題に対応するためにISOを取得した」と答えています。ISOを導入することで、企業は組織的な問題に対処するためのフレームワークを手に入れることができます。

4割以上の経営者が「企業課題解決のためにISO取得すべき」


さらに、経営者の中にはISO認証を取得することで、企業の根本的な課題(例:業務効率の改善や顧客との信頼関係の強化)を解決できると考える人が増えています。ISOを取得すると、社内の業務プロセスが明確化され、組織全体で改善が進むため、結果として企業全体が強くなるのです。

3. ISO規格の種類

モノ規格


モノ規格は、製品自体の性能や品質に関する基準です。例えば、電化製品の安全性や性能、建材の強度など、製品が国際的に認められるために必要な規格です。企業はこの規格に従うことで、製品の品質を世界中で同じレベルで保証できます。

マネジメントシステム規格


マネジメントシステム規格は、企業の業務運営方法を規定するものです。たとえば、品質管理、環境管理、情報セキュリティ管理など、組織全体で取り組むべきマネジメント手法を定めています。これにより、企業の活動が一貫性を持ち、効率よく運営されるようになります。

4. ISOマネジメントシステム規格の種類

ISO9001(品質マネジメントシステム:QMS)


ISO9001は、製品やサービスの品質を管理・改善するための規格です。この規格を導入することで、企業は顧客の期待に応える製品やサービスを提供し続けることができます。ISO9001は、最も広く使われているISO規格です。

ISO13485(医療機器の品質マネジメントシステム:医療機器QMS)


医療機器に特化した規格がISO13485です。医療機器は人の命に関わるため、非常に厳格な品質管理が必要です。この規格を導入することで、企業は医療機器の安全性と信頼性を保証することができます。

ISO14001(環境マネジメントシステム:EMS)


ISO14001は、企業が環境に配慮した活動を行うための規格です。環境への負荷を最小限に抑える取り組みを行い、持続可能な経営を目指す企業にとって重要な規格です。環境保護の観点からも、この規格は多くの企業で採用されています。

ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム:ISMS)


情報漏えいやサイバー攻撃から企業の情報を守るための規格がISO27001です。企業の持つ重要な情報や顧客データを適切に保護するため、情報セキュリティの管理体制を強化するために導入されます。

ISO22000(食品安全マネジメントシステム:FSMS)


食品の安全性を確保するための規格がISO22000です。この規格は、食品の製造から流通、消費までの全プロセスで安全管理を行い、消費者に安全な食品を提供することを目指しています。

ISO45001(労働安全マネジメントシステム:OHSMS)


ISO45001は、労働者の安全と健康を守るための規格です。職場での事故や健康被害を予防し、労働者が安心して働ける環境を提供することを目的としています。

ISO39001(道路交通安全マネジメントシステム:RTSMS)


道路交通安全を確保するための規格です。交通事故のリスクを減らすための取り組みを行う企業や組織が採用しており、安全な交通環境を作るために役立ちます。

5. ISO認証取得のメリット・デメリット

メリット


ISO認証を取得することで、企業の信頼性が向上します。顧客や取引先に対して、品質や安全性、環境対応などで高い基準を満たしていることをアピールできます。また、業務の効率化やコスト削減にもつながるため、組織全体の改善が期待できます。

デメリット


ISO認証の取得には、時間とコストがかかります。さらに、定期的な更新審査が必要で、そのための手続きや管理が継続的に発生します。特に、中小企業にとってはその負担が大きい場合もあります。

6. ISOの要求事項とは?


ISO規格には、各企業が遵守しなければならない具体的な要求事項が含まれています。例えば、品質管理に関する規格では「顧客の期待を満たす」「業務プロセスを継続的に改善する」ことが求められます。これらの要求事項に従うことで、企業は効率的な運営ができ、品質や安全性の向上が期待されます。

7. ISO認証取得の流れ

1.取得に向けた準備を行う


まず、どのISO規格を取得するか決定し、企業内で準備を進めます。認証取得の目的や目標を明確にし、必要な体制を整えます。

2.マネジメントシステムの構築


次に、ISOの基準に従ったマネジメントシステムを構築します。これは企業の業務プロセスを整備し、効率的に運営するための仕組みを作る段階です。

3.マネジメントシステムの運用


構築したシステムを実際に運用し、効果を確認します。業務の改善や問題点を洗い出しながら、継続的に改善を行います。

4.取得審査を受ける


外部の認証機関による審査を受け、基準を満たしていることが確認されれば、ISO認証が発行されます。

5.継続して運用する


認証取得後も、マネジメントシステムを運用し続けることが求められます。定期的な更新審査を通じて、基準に合致した運営が継続されているかを確認します。

8. ISO認証を取得する方法

自社取得


自社でISO認証を取得する場合、社内でISO規格に従ったマネジメントシステムを構築し、外部の認証機関に審査を依頼します。自社内に十分な知識やリソースがあれば、この方法で費用を抑えて取得することが可能です。ただし、専門的な知識が不足している場合は、準備や運用に時間がかかることがあります。

コンサルタントに依頼して取得


ISOに精通したコンサルタントに依頼することで、より効率的に認証取得を進めることができます。コンサルタントは、企業の状況に合わせて適切なアドバイスやサポートを提供してくれるため、初めてISOを取得する企業にとっては大きな助けになります。費用はかかりますが、短期間でスムーズに認証取得が可能です。

9. まとめ


ISOは、企業の信頼性を高め、業務の効率化を促進するための国際的な基準です。製品の品質やサービスの向上、環境保護、情報セキュリティなど、幅広い分野で企業の強みを示すツールとして機能します。取得には時間とコストがかかりますが、長期的な視点で見ると、企業に多くのメリットをもたらすでしょう。ISO認証を適切に運用すれば、競争力の強化や市場での評価向上に繋がります。
ISO取得は最初のステップに過ぎず、取得後の継続的な運用や改善が重要です。

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