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【ビジネスと経営】入門ガバナンスとは何か(おまけ)「レーガノミクスとガバナンス」

 1981年に発足したレーガン政権は、英国サッチャー政権、日本の中曽根政権と共に、「小さな政府」を目指して、企業を縛るさまざまな規制緩和を遂行すると共に、企業や高額所得者層に対する大型の減税で景気の回復を狙いました。
 この経済政策を一般に、「レーガノミクス( Reaganomics)」と呼び、その政策の柱である規制緩和はやがてエンロンなどの巨大企業を生み出すことになります。
 レーガノミクスは企業経営施策の自由度を広げ、自由市場経済を活性化させてくれる魔法の施策と考えられましたが、一方でグローバル企業の規模をますます巨大化させてしまい、その政策の揺り戻しとして巨大企業による反社会的行為がグローバル化の負の側面として顕在化しました。
 
 入門ガバナンスのシリーズで取り上げたエンロン事件は、企業への規制緩和を逆手にとった不祥事の一例でもあります。
 欧米を始めとして企業の社会的責任(CSR)を求める声が大きくなってきた背景には暴走や脱線をくり返すグローバル企業や巨大企業への警戒心があります。
 コーポレート・ガバナンスを知る上でレーガン元大統領の経済政策を理解する必要があるのはそのためです。(入門ガバナンスのシリーズ終了)

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