「上手くなりたければ、模写をしろ！」と言われる初心者に模写の練習が必要な理由
模写をすれば上手くなる！
上手い人の技術や考えが学べて画力が向上する
何て言いますが
初心者にはもっと別の理由があります。
その理由と、模写が似ないといった訳などのお話です。
普通の人は見たままを絵に描けない
模写の際に、似ない、似せられるはずがない
位の事をおっしゃる方がいます。
それも当然で
普通の人は、画像の特徴だけ覚えて、圧縮して脳内に記憶するからです。
描く際には、脳内の情報と知識を照らす合わせ
自分の描きやすいタッチで出力されます。
そこそこ描ける方だと、
二次創作のキャラクターを描くとき
自分の「人型」情報に
対称の特徴をくっつけて模写とした結果
それなりに似るけど、なにか似てない絵が出来る
という結果が起こります。
が
模写は
目視で同じ位置（比率・角度）で同じように写し取る
ことを目標にします。
何故なら先に書いた通り
普通は見たものの解像度を下げてから出力されるからです。
お絵描きについて考えてた。
— キムトモ (@kimutomo_2) January 18, 2025
普通の人間の脳は視覚情報をそのまま絵に変換出来ないので脳内設計図が必要になるはず。
設計図への変換や手からの出力精度の問題で、情報劣化するので下手な絵が出来上がる。
上手い人は見る力、脳内設計図への変換、描く精度がスゲーってことなんだろな。 pic.twitter.com/ae09JYum3D
上記キムモト氏の描かれた図の青部分。
これを鍛えられるのが模写です。
コピー機のように同じ比率、同じ位置同じ角度で描けば
理論上同じに写し取れます。
これにより
よく見る
特徴を形で捉える
比率をとらえる
加えて
照らし合わせて修正をする
というのもあります。
絵がそこそこ描けるようになったのに伸び悩む方に多いのが
資料をよく見ない（必要な情報を読み取れていない）と
修正をしない
です。
数を多く描きたい、完成まで時間がかかったので
更に見直しはめんどくさい。早く上げて楽になりたい。
という方は多い気がします。
ある程度の区切りは大事なので、修正を繰り替えして
いつまでも完成させないのも良くないですが
完成と思った区切りの「最後にもう一つだけ」が結構大きかったりします。
上記にあげた4点は自分絵やクロッキーなど絵を描く際に
大事な技術であり習慣です。
模写をやると自分の絵が無くなるという方がいらっしゃいますが
逆に自分の絵に幅がでてきます。
そっくりに描く技術というのは、
しいては自分の絵を自在に操るための能力になります。
卵焼きしか作れない方が、みそ汁やハンバーグのレシピを覚えても
卵焼きはつくれるのと同じです。
似る二次創作絵と似ない二次創作絵
模写による能力の向上は二次創作でとても役に立ちます。
例えばずんだもんの特徴として
ショートボブにおさげ
うさ耳のような枝豆
セーラー服を着ている女の子
というイメージで描いたとき
引用：ずんずんJP
解りやすくするために大げさに描いていますが
上記の特徴には合致します。
大まかな特徴だけだと、このくらい似なくなります。
キャライメージを変えても 特徴を抑えておけば、
上の絵は下の絵よりずんだもんだと認識できると思います。
似せられる方は
元絵を自分の素体に当てはめています。
似なくなる方は
自分の素体に元絵を当てはめていることが多いと感じます。
おなじことを言っているようですが、やることは逆になります。
二次創作は「主」が一次創作であり「準」が自分の絵になります。
また言語情報ではなく、
細かいシルエットや比率の情報を特徴として抜き出します。
コレが出来ると似やすくなります。
合成音声キャラや東方プロジェクトなど、
二次創作が多く
元絵と違うように描いている方が多いから
自分の絵も似なくて大丈夫！
なんて方もいらっしゃいます。
しかし、そういった方が差す
"元絵と似ていないという二次創作キャラ"は、
あなたが、その"対象キャラだと認識できている"時点で
オリジナルの特徴が絵に落とし込まれています。
加えて
多くの方に認知されている（二次創作立ち絵・ネタが元ネタとかみ合い共感できるなど）
公式が認定している（キャラデザ以外の絵師による商業作品に使用されているなど）
絵描き自身の絵が有名（これは「主」が絵師の画風になることがありますが個性的な絵であり、有名である信用度や画力などの別の要素が加味されます。漫画家の絵師に多い。）
といった条件が加味されていることがほとんどです。
これを理解できず、
自分の二次創作が評価されないで愚痴垢になっている方を
見たことがあります。
もし、二次創作絵を自分絵で似ないなら
元絵を自分絵に落とし込めず
キャラを認識しにくなっている可能性があります。
同様に模写をする際に
模写を自分絵に落とし込む人がいらっしゃるのですが、
それだと成長は難しいかもしれないそうです。
模写は勉強になりますが
絵を描く基礎能力の訓練にもとても役立ちます。
ある程度模写が出来るようになれば
入出力の解像度が上がり、
多くの絵描きの方が言う通り、他の方の絵からの学びが多くなります。
とはいえ
模写はあくまで練習の一環なので、
それで鍛えた能力で、デッサン力をあげるなり、
自分絵に資料を見て生かすなりすると
総合的に上手くなる＝画力が上がるのだと思います。
引用イラスト：ずんずんJP