小学校教諭を一年で辞めた後の話
会社最寄りの駅に到着する8時30分ごろ、朝の会が終わったころかなと思う。
一日の時間の折で、過去のいろいろなことを考える。
12時のお昼休憩の際には、まだ四時間目の途中だな、とか、一時間も自由な時間があるなんてありがたいな、なんて思ったりする。
今みたいに「~たりする」するなんて言うと、副校長先生に
「『たり』は『飛んだり跳ねたり』のように繰り返して使うものなのです。」
なんて言われたことと、その言葉と共に帰ってきた、針鼠のように付箋の貼られた添削後の通知表を思い出す。愛のかたまりである。
私は元小学校の先生であり、教員という仕事を丸一年で退職してしまった者である。理由については今回は省きますが、恐らくはご想像通りです。
あの一年間はあかちゃんの頃よりも泣いた一年だったと思う。
誰もいなくなった夜の暗い教室や、色々あった雨の日の帰り道だとか、そんなテンションの下がるような場所で独りになっては自分の不甲斐なさに泣いたりしていました。
【はじめに】初任の先生、辞めちゃおうか迷っている先生へ
今年の夏は新型コロナウイルスの関係で、異例の1年だと思います。
現状がやりやすいのかやりづらいのかは存じ上げませんが、いずれにしても初任者の先生の中には教員という仕事の大変さを感じている方が少なからずともいらっしゃると思います。
そういった気持ちの中に、『自分は向いてないんじゃないか』『つらい辞めたい』だとか、ギャップだったり仕事内容だったりで教員を辞めたくなってしまっている、そんな方への励みや背中を押す一歩となればいいな、なんて思いながら本noteを記していこうと思います。
先生を辞めたあとのこと
ある転職エージェントのお世話になり、数か月の余暇を楽しんだ後、特別な信念もなく、ただ安寧を求めてIT企業に転職しました。今回はその詳細な方法や努力については省きます。
結果から言うと、転職して自分は以下のような環境に身を置くことになりました。
・時間内に終わるタスク
・残業は滅多にナシ
・イレギュラーやトラブルも全くなし(あったとしても自分はほとんど関係なし)
・土日に仕事のことを考える必要なし
こんな職場に巡り合い、そこでの日々は、教員時代に求めていた労働条件そのものでした。
しかしながら、こんなことを言うとバチが当たるかもしれないのですが、そんな理想の仕事でも内容は退屈。
毎日ほとんど決まったことの繰り返し。
大変じゃない代わりに教員時代のような仕事の楽しみはほとんどなくなってしまいました。
「仕事はつまんなくて当然」なんていう人もいるかもしれませんが、学校の先生の毎日は新鮮で、いろいろな出来事や発見、大変でも、子どもの成長に携わることができる喜びは素晴らしいものでした。
今の自分はゆとりこそはありますが、自分が本当にやりたいことは教育であり、転職して余裕のある仕事に就くことで失った楽しさもありました。
まとまらない文章で恥ずかしい限りですが、以上が自分のエピソードです。
以下に、自分の考えうる限りでの、
先生退職後のメリット・デメリットについて述べていきたいと思います。
メリット
・自由な時間が大幅に増えた
これは自分の手際が悪かっただけかもしれませんが、今でこそは業後に友達とご飯を食べたり、家に帰って読書やゲームなど、時間を使う趣味を楽しむ余裕ができました。
・有給休暇を好きな日に使える
教員時代は夏休みだとかの学校がない日くらいしか一日のお休みを得ることができませんでしたが、今では有給はほとんど自由な日に消化することができます。
・残業しても残業代が発生する。
自分はほとんどありませんが、仮に残業が発生したとき、ちゃんと手当てが出ます。また、休日出勤した場合も、割増の給料が発生します。
デメリット
自分のやりたかった「子どもと共に成長する」仕事ができない。
きっと自分だけじゃないはずです。
行事やそうでない日頃の活動でも、教えている子どもの成長を見たとき、
目から涙が出るほど、腹の底から笑えるほど嬉しかったです。
そんな現場に携わるのは学校の先生だけだと思います。
特に担任であるとそういった成長の場面を目にすることは多いと思います。
大変な分だけ、素晴らしいものを見れた、そう思っています。
【おわりに】結論はどっちなのか
自分としては辞めてよかったと思っています。
学校の先生を辞めて、地域の学習ボランティアなど、そういった活動もあり、仕事じゃなくても子どもに勉強を教えたりすることはできましたので、今の生活はバランスが取れていると思います。
ただ、「後悔はないか」と言われると、少しだけ「一年であきらめず、先生を続けていられたら」なんて思ったりもします。
自分が退職を決意したとき、ネットで先生を辞めた人の話を探していたりしました。辞めたあとどうなるのか、とかそんなことが気になっていたので。
かつての自分と同じ状況の方がいたとしたら、拙い文章で恥ずかしいですけど、少しでも力になれたらとこの文を書き起こしました。
あくまで自分の経験則・一意見でしかないですが、読んでくださった方に少しでも良い方向から光が差し込むことを願っています。
それでは、自己添削もせずこのnoteを投稿します!
ご拝読ありがとうございました。
※先生を辞めたことに関して、何か具体的にききたいこと等ございましたら、TwitterにDMください。可能な限りでお答えします!