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幸運の神様の前髪掴みに行ってきた話

こんにちは。こんばんは。

石渡悠起子です。英日/日英翻訳と歌とポエトリーリーディングをしています。2019/5/28-7/1まで20代の頃住んでいたNYを再訪してます。誰にも頼まれてない一人アナザースカイ感あります。

悠起子と推し

実は今、私はどうしても日本語版の出版をできたらいいなと思っている本の企画を出版社さんに持ち込みして、前向きにご検討いただいているところです。

まだ企画段階で権利など交渉中なので、タイトルと著者名は伏せておきますが、内容は「子供を待つこと」をテーマに、文学の中にみる子供のいない女性の心情の描かれ方から、不妊治療や特別養子縁組、LGBTQ+コミュニティのカップルが子供を迎えるための選択肢、などを著者自身の体験を軸にして、丁寧に繊細に書かれてたノンフィクションの本です。

もともと小説家である彼女はこの春新刊を発表したばかりなので、五月くらいからブックリーディングイベントを地元の州の本屋さんで開催していた様子をTwitterで見ていました。

このブックリーディングというのは、他の国はあまりわからないのですが、アメリカでは著者が新刊発売時期に、自著を読むイベントが結構開かれています。最近だとミシェル・オバマが自伝出した時なんかも、大ツアーをやっていました。

ブックエキスポも実は、数年前に新刊を出した時にサイン会でブース出したりしてたので、万が一会えたらと思っていたのですが、Twitterにも特にコメントなく、「なんなら彼女の住む州のイベントまで行くか...」と思っていたくらい(皆そろそろ私に引いてますか。まだまだだぜ)。

そんな具合なので、数日前彼女のTwitterでブルックリンに来ることが公開された時の私の動揺と喜びと興奮をご想像いただけますでしょうか。

借りてる部屋でブツブツ独り言を言いながら鶏のようにぐるぐる周り、多分10周はしました。

その場で前売りチケットも購入し、現場まで迷ったら嫌だから前日下見もし、当日は30分で着けるのに二時間前に家を出て会いに行ってきました。自分でもちょっと思いましたが、ここまで行くと若干きもいね。でも、それだけ楽しみにしてたのです。

そして、日本の出版社さんに、交渉に影響がないように挨拶の仕方などもきちんと確認などとりました。私はまだ新入りですらないですが、基本的に翻訳出版は、日本の出版社ー日本の版権エージェントー現地のエージェントー出版社 というルートで交渉を行うので、翻訳者が作家とこのルートをすっ飛ばして連絡を取り合うということはまずないようです。だから、会いに行くことがマイナスになることだけは避けたいなと思っていました。今回は、「企画提案中とならばアナウンスしてOK!」というお言葉をいただきました。ホッ。

悠起子、ついに推しと会う

入念にここまで来たくせに、イベント会場である本屋さんに着いて急に緊張し、こちらに来て初めてお酒飲みました。「飲んだことないならメスカルを飲め」とバーテンダーに勧められ、だいぶへべれけになりました。

新刊のトークイベントは、最近新刊を出したばかりの三人の作家が集い、お互いの小説の中から、相手が「この部分からこの作品の構想を練り出したんじゃないか?」と思う部分を読み、本人が正解部分を読む、ということをしていました。全然違う読みもあれば、惜しい!というのもあり、小説家同士だと、そういう核となる部分への嗅覚が育つのだろうか、なんて考えながら面白く拝見しました。

そして、その後のサイン会で新刊を片手に挨拶。

「現在彼女の本の翻訳を企画提案しているところ」と話すと、すごく喜んでくれました。そして、原著にサインをくれ、写真の四つ葉のクローバーをくれました。

良いしるし、だと思いたいな。幸運の神様の前髪を掴んだかは知らないけど、おでこ触るくらいはできたでしょうか。そうだといいな。

あとは私にできることは、淡々と翻訳の能力を上げるべく勉強を続けること。そして、いざとなったら動ける身軽さを忘れないでいること。

もし、この本のテーマに興味を持ってくださったかた、ぜひnoteやTwitterなどでフォローして情報を追っていただけると嬉しいですし、何より幸運を祈ってもらえたら嬉しいです。

ではでは。


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