【これだけは書いておきたい】M-1グランプリ敗者復活戦おもしろかったよな!な!!
まだM-1グランプリ2023の話するんかい。ええしますよ。
敗者復活戦の話をしていなかった。自明だがめちゃくちゃおもしろかったので、気になった・好きだったコンビの感想をテンション高めに残しておく。
Aブロック
●ロングコートダディ
ロングコートダディ~~~!!!!!好きだよ~~~!!!
たしか去年、堂前さんが「僕らはしゃべくり漫才を前フリにして(コント漫才を)やってるところはある」的なことを言っていて(うろ覚えだが)そこにロングコートダディの苦悩が見えたような気がして、お笑いってほんと難しいんだなと思った。今年はコントっぽさを取り入れつつ、二人の会話でおもしろおかしく話が進んでいったので、こんな漫才もするんだというのが正直な感想。おもしろかった。Wボケのようなやりとりは漫才、つまりしゃべくりの腕が確かだからできるのであって、とはいえこれはもはや「ロングコートダディ」というジャンルになっている気がした。
「痩せてる、太り上げてる」
「ほな俺、先輩と厨房入るわ」
「私語厳禁番組のパネラー」
「ウーマンむりよ!めちゃめちゃマンやもん」
「死に際にちょっと損」
「アタシそんな仕事やらないから!ノーよノー!断っといてちょうだい!」
「昨日WOWOW契約したばっかりなのに……」
大喜利的なボケチョイスはもちろんのこと、ちょくちょく挟み込まれる堂前さんの「埋めるよ~」「がんばる」「がんばるしかない」の脱力感がジワジワくるおもしろさ。コンビのバランス良さといい、なんなんこのふたり天才なんか。
最近のメディアでの露出増加と、コンビの仲の良さを良い塩梅で絡ませてきて、すごく好感が持てるネタだった。2024年はラストイヤーかと思うと本当に寂しい。絶対に決勝へ返り咲いてほしい。
●20世紀
初見のコンビ。ツカミが「は・み・が・き・上手だね」「イ”ヤ”~~~~!!!!」って何???????見たことないよそんなの。わいの辞書にないことせんでくれ。キモターボ強すぎて(オズワルドか)腹筋崩壊した。明太だし巻き食いてえ。
終盤に近付くにつれ「バーストデビルから聞いたんですけど」の天丼で超絶笑えてしまって、完全に20世紀のターンになっていた。こういうパワー!!!!みたいな漫才見て笑っていると「センターマイクの前でしゃべくりで笑かすのが漫才や!」みたいな論がバカバカしく思えてくる。
あとでマンゲキのインスタ見てると木本さんがイケメン枠みたいな扱いされてて「この人バーストデビルやってんだよな」と思うとは???みたいな感覚に陥った。助けてくれ。
Bブロック
●スタミナパン
「ほんとにウンチしてまーす!」「するなよウンチを!」の応酬が漫才の3分の1くらいを占めていると思うので、実質公の場でウンチをするのはありか否かみたいな話しかしてないのでは?しちゃダメなんだよウンチは。
切れ味最高のツッコミは敗者復活の中で個人的に一番好きだった。「ボケはツッコミで生きる」の権化のような漫才だと思った。「ソーラン節歌ってみた」「踊れよ!」は今大会MVPツッコミ部門第一位。
M-1グランプリ2023完全ガイドブックによれば、スタミナパンはボケの麻婆さんが「ちゃんとツッコんでもらいたい」と思いトシダさんと組んだコンビだそう。おもしろおかしいボケ役にツッコミ役がきちんとツッコむことで笑いが増幅される王道の形でありながら、終盤でボケの作り出したフローにツッコミが乗っていき、そこでさらにツッコミを入れる今っぽい構成だと思った。YouTubeというネタのチョイスも会場にしっかりハマっていた。
●エバース
出番順は奇々怪々、意味不明、唯我独尊トム・ブラウンの直後。まだ変な笑いに支配されていたであろう場にサッと現れ、飲まれることなく自分たちの漫才を貫き、落ち着いてやり切ったように見えた。正直それだけで「肝座ってる!!!!!すげえコンビだ!!!!!」とめちゃくちゃ驚いてしまった。結果、トム・ブラウンに打ち勝つ。納得。
ツッコミ町田さんの「ケンタウロスのサビ前みたいな部分どうでもいいんだよ」のセンスよ。わかりやすくておもしろくて最高。中盤のこのツッコミでお客さんは完全にエバースの虜になっただろう。ボケの佐々木さんの「なんで上座座ってんだよ」は天才かと思った。
肌感覚だがSNSでも「エバースおもしろい」と言っている人が多かったので、確実に2024年も爪痕を残しそう。
●ナイチンゲールダンス
個人的に敗者復活で一番笑ったのがナイチンゲールダンス。断トツで絶対決勝行った!と思ってた。決勝への壁は分厚い。
「乗り換える人多すぎて何て呼ばれてるか知ってる?」→「大手町」までは正直ちょい予想できたんだけど、そのあとの「俺は歌舞伎町の大手町」「歌舞伎町の大手町の中野です」で腹筋崩壊した。ドラえもんやピラティス、「僕の気持ちは止め跳ね払い!」「ボビーン!!」など、直感でおもしろいとわかるボケの笑いと、「テキーラピッチャーで」「落ち着けよ!」のようにツッコミまでセットになっている笑いの両方が散りばめられ、ナイチンゲールダンスというコンビの魅力を十分に感じられた。後半のボケなんて全部ウケてたのでは?楽しんでやっている感もすごくて、見ている側もなんか安心した。若手芸人でこの安心感とはもはや恐ろしい。来年はファイナリスト候補確実な気がする。
超絶個人的な感想でいえば、ツッコミのヤスさんが目を細めて「~だろ」と話す感じがどこかSnow Man岩本照さんを彷彿とさせる。女性役のわりに変に役を作りこまず「ぶっ飛ばすぞ」とか本人に無理のないトーンで言っているのも良かった。
●オズワルド
ごめん、もうね、ハードル上がりすぎよ!!!!!!期待しちゃってごめん!!!!オズワルドが決勝いけないのは完全にあたしたちのせいよ!!!!!
(お前は誰だ)
正直2年前のM-1決勝「友達ちょうだい」ネタがここまで足を引っ張るとは。また決勝で漫才をするオズワルドが見たいよ。
Cブロック
●フースーヤ
野球とかプロレスネタぜんぜんわかんない世代(わい)からしたら、インテル入ってる、Perfumeじゃないでーす!!、サザエさんなど刺さるネタ満載。この世代がお笑いど真ん中の時代がきたんや~~~!!!と嬉しくなった。唐突な「おじゃる丸シャク返せ」大好き。
こんだけ大声全力でギャグやってもぜんぜんうっとうしくならないのは、「perfumeじゃないでーす!!」で谷口さん低音、田中さん高音で声の棲み分けがされていたり、二人ともちゃんと演技が上手かったりといった細かい部分をきっちりしているからではないだろうか。自分たちのスタイルを変えずに準決勝まで勝ち進んでいるフースーヤ、素直にすごすぎる。決勝でこのネタ見たかったなあ。
*
マヂカルラブリーの野田クリスタルさんがコメントで「若手の劇場のレベルがすごいことに」的なことを言っていて、今のお笑いはプロがびっくりするくらいレベル高いんだなあと実感した。敗者コメントでさえみんなおもしろい。プロでないとかけられないお笑いへの時間、言えないコメントの多くに痺れる敗者復活戦だった。
次のファイナリスト期待コンビはナイチンゲールダンスとなった。ロングコートダディもラストイヤー決めてほしい。もちろん大本命は今年もカベポスターで行くつもりだ。
新しい笑いを作るのは挑戦者のみなさんと、客席のみなさん、そして笑いを愛するあなたたちです。
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