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ニューヨーク駐在記録「初めての保護者会」

学校が始まって約一週間後。保護者会が開かれることになった。
アメリカの保護者会ってどんな感じなんだ?自己紹介はあるのか?何か話さないといけないのか?そもそも、自分に先生の話をすべて理解できるのか?
不安になった私はまたまたシッターさんを帯同して保護者会に参加した。
その間、学校側は子供達を一斉に集めて映画鑑賞をしてくれることになっていた。
私は息子をジムにおき、下の子を連れて出席した。
保護者会では父親も姿も多かった。アメリカでは父親が子供の行事に参加するのは当たり前だし、両親が働いていることを前提に保護者会は18時から設定されていた。
担任の先生はスマートボード(電子黒板)にパワーポイントで作成された資料を映し、終始立ちながら教育内容の説明をしてくれた。
先生は女性で、20代半ばに見えたが、時々ジョークを交え、はきはきと話す姿はまるでTEDのプレゼンテーションを見ているようだった。はっきり言って、日本の会社員でもこんなに上手に話せないだろう。私は驚きと衝撃をもって、先生を眺めていた。
そんなこんなで保護者会が終わり、私はシッターさんと一緒に先生のもとへ質問をしに行ってる間に、気がつけば会の終了から15分経っていた。
私たちが1階に降りると、ジムはもう締められていた。そして、警備員さんしかいないロビーの椅子に子供が二人、ポツンと座っていた。そのうちの一人が息子だった。息子は今にも泣きそうな顔をしていた。
まわりはとっくに帰ってしまい、英語ができない息子は状況もわからず、私が戻ってこなくてさぞかし不安だっただろう。
「ごめんね、遅くなってごめんね」と何度も謝り、私たちはすっかり暗くなった夜道を歩いて、家路についた。

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石森のぶ
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