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近況報告(ねことともにつらい)

 ねこの病気が発覚してからは、毎日ほとんどの時間ねこといっしょにいてつらい。仕事中も食事中も、寝る時間以外はほとんどいっしょ。
 自分の時間もないことはないが、何をやっててもねこが「かまえにゃ」と出てきたら、ねこがすべての行動の上位に置かれる。もちろん寝てたら起こされるし、さっきは俺がトイレで便秘と戦ってたら個室の外でめちゃくちゃキレてて慌てて出てきた。作品を見ても集中する時間が取れず頭に入ってこないので、面白そうなものも全然見てない。それらはそこまでつらくない。
 つらそうなねこを少しだけ楽にさせるためにここにいる。呼びかけられたらなるべく応じて、なでたり、かまったり、拭いたりもしている。
 ねこがずっとつらそうでそれが常につらい。

「死んじゃうのはしょうがないけど、そんなにつらくなくてもいいのにね」

 そう思いながら、せめてでも、この子のつらさを減らそうとしている。
 ねこを看取るために仕事もかなり楽をさせてもらっていて、そういう役に立たなさも、まあつらい。皆さんに頭を下げながら、ねこの治療費を稼がせていただいている。
 最近気づいたこととして、低気圧のつらさを感じなくなっている。以前はあんなに気圧に振り回されていたのに。「ねこがつらそうでつらいなあ」が常時24時間になってしまったので、つらさが上書きされても自覚がないんだろう。

 あまりこういう捉え方は好きな方ではないが、「つらい思いをさせてもらっているなあ」と思いながら、日々つらさを感じている。
 つらいのは嫌だ。でも、ねこのつらさを見届けるというつらさは、たった一人の飼い主である俺だけに与えられた役目だ。独り占めだ。
 かわいさも腹立たしさもまだまだいっぱいなので、多くのものを独り占めさせてもらっている。15年半も付き合ってもらって、いまだにこんなに特別な思いをさせてもらえて、ありがたいなと感謝している。
 世話をしながら、「つらいのにかわいくてえらいねえ」と何度も声をかけて、膝に乗ってきたのを抱くなどしている。あったかくていい匂いがする。
 ごろごろ、ごろごろ、鳴る。

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