一石楠耳

詩人及びゲームシナリオライターの一石楠耳です。

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最近の記事

かわいいを今日も振り返る

 ねこが闘病期間に入ってから、がんばって、なくなって、その後まで。  ここに記録として残っているそれらの物を、今日は久しぶりに読み返した。  ぼろぼろと泣いていた。泣いている理由はよくわからなかった。ねこのことを思い出して会いたくなったのか、つらさが胸にしみたのか、そういう心の動きも特になかったように思うが、号泣のように涙が出続けていた。  わかったのは、「書いておいてよかった」ということだけだ。  そうやって自分の記録を読み返していたら、noteに書かれている他の人のペット

    • 一年経って書き方を忘れてしまった

       10月23日にねこがなくなって一年が経つ。  毎日規則正しく寝て起きて、看病をして、俺が倒れるわけにも行かないので自分の体調も気遣って、休み休みだけど仕事もして、かわいいのがそばにいて。  それが終わって何もする気がなく一年が過ぎた。  ここの書き方も忘れてしまっているけど、命日にも振り返っての気持ちをなにか書くだろうから、今のうちに書き方を思い出しておこうと思って、ごく簡単に執筆を始めて。  でも、それよりも、「何かを書こう」という熱意そのものを忘れてしまった一年だった。

      • ねこが16歳になる日でした

         うちのねこ、おーど・りーを里親会でもらってきたときに、飼い主さんが言っていた「この辺の日に生まれたと思いますよ」の日付が、2月1日。  なので毎年誕生日としてお祝いしたり、忘れちゃってて数日後にお祝いしたりなどしていた。  去年の10月になくなってしまったので、16歳はお祝いできなかった。  なくなって100日目の百箇日というやつが、1月30日でした。ねこの誕生日と2日違い。  まとめて済ますような形を取ろうと、誕生日の2月1日である本日に、納骨堂に行ってお参りをしてきま

        • 君と僕ならばこれが似合いの約束だから

           ねこがなくなって20日ほどが過ぎた。  未だに最後にねこが使ったトイレは、猫砂もトイレ本体も捨てられずに、そのまま残っている。  単に捨てるのが面倒だからというのもあるし、ねこの足跡が残っていて、躊躇してしまうというのもある。  病院に通っていたことでたまった、診療費明細書。最後の2ヶ月ぐらいは毎日通っていたのでたくさんあり、これもなんとなく捨てられずに紙束になっている。見返すと闘病中ずっといっしょにいたことを思い出せる。  最後の日に遊んだおもちゃもあるし、あちこちに思い

        かわいいを今日も振り返る

          ねこが口の癌になって、お別れをして、それで

           うちのねこ、おーど・りーが10月23日になくなりました。  病名や病状の詳細については、ネットでは伏せたままにしていました。  もしも善意による「その病気ならこうした方がいいですよ」というアドバイスが誰かから飛んできたとき、俺は受け入れれば良いのか無視すれば良いのか、その判断が出来ないと思ったから。  この病気が発覚して以降は、ねこが少しでも平和に暮らせるようにするための判断以外は、生活から極力減らしたかった。  病気や不調にはアドバイスをしたい人達がいる。でもそれが正しい

          ねこが口の癌になって、お別れをして、それで

          近況報告(ねこが人形になって見ている)

           ねこを火葬して納骨してきました。  分骨用容器のマスコットに、おーど・りーによく似たものがあったため、しっぽの骨を入れてもらって持ち帰る。  こんな形で家に帰ってくると思わなかった。これを書いている間も、手元でずっとこっちを見ています。かわいい。  お別れは生きている間にしなくてはいけないと思っていたので、生前いっぱい話していっぱいなでていっぱい食わせて、たまにしかって噛みつかれ、というのをやりましたが。  なくなってから火葬までの間にもいっぱい話しかけてしまい、朝は「お

          近況報告(ねこが人形になって見ている)

          近況報告(ねこがなくなりました)

          おなかすいたにゃ エサくえねーにゃ もっとうまいのよこせにゃ お布団入れるにゃ 口びちょびちょにゃ 口ふかれたにゃ またお水飲んで口びちょびちょにゃ 口ふかれたにゃ またお水飲んで口びちょびちょにゃ 口びちょびちょだけどお布団入るにゃ よだれふりまくにゃ! かまえにゃ どっかいくの許さないにゃ 呼んだらこいにゃ! 腕にのせろにゃ このまま寢るにゃ  ここ数ヶ月ずっとそんなような暮らしを送ってきました。  本日10月23日18時10分、ねこがなくなりました。名前は、おーど・り

          近況報告(ねこがなくなりました)

          近況報告(ねこはずっとがんばっている)

           獣医さんと事前に「ここのラインを超えたらお別れを覚悟しましょう」と話していた症状がついに起きたのが、今月の頭。土曜日だった。  もう最後までずっと一緒にいるつもりで、そこから仕事をまるまる休みにした。  ねこの都合でいつか仕事を休み始めるであろうことは、仕事場でも承諾は得ていたとはいえ、急なお休みに対応してもらえてとても助かった。  その時に抱えていた仕事だけでもキリよく終えておこうと思い、平日に働いているときよりもガッツリと土日に働いて、なんとか終わらせた。「もうお別れだ

          近況報告(ねこはずっとがんばっている)

          近況報告(ねことともにつらい)

           ねこの病気が発覚してからは、毎日ほとんどの時間ねこといっしょにいてつらい。仕事中も食事中も、寝る時間以外はほとんどいっしょ。  自分の時間もないことはないが、何をやっててもねこが「かまえにゃ」と出てきたら、ねこがすべての行動の上位に置かれる。もちろん寝てたら起こされるし、さっきは俺がトイレで便秘と戦ってたら個室の外でめちゃくちゃキレてて慌てて出てきた。作品を見ても集中する時間が取れず頭に入ってこないので、面白そうなものも全然見てない。それらはそこまでつらくない。  つらそう

          近況報告(ねことともにつらい)

          近況報告(ねこはじきに元気じゃなくなる)

           前回の「近況報告(ねこ元気)」を書いたのは2年半前。  顔が三角で美人さんでオードリー・ヘップバーンみたいだったのと、家に連れてきたときにおどおどしっぱなしだったので、このねこの名前はおーど・りーと言います。  かつて闘病で大変だったのもあり、もう年齢も15才、終わりの日が近づいてきたらなるべくそばにいてかわいがれるような、暮らしを送ろう。  そう思って、短時間勤務でリモートワークで続けられるお仕事を探していました。あちこちに連絡をしたり面接を受けたりしていました。  

          近況報告(ねこはじきに元気じゃなくなる)

          「ターンアンデッドしか使えない」あらすじ

          異世界転生してターンアンデッドを身に着けた少年・ハロが宿屋に帰ると、ドスケベ衣装の美女が部屋の前で泣いていた。「行くあてがないんです」というポンコツ美女を、ハロは自らの部屋に招く。 謎の美女グレンダンといちゃいちゃしながら、宿ぐらしを満喫するハロ。 しかしその夜、アンデッドの群れが街を襲う。グレンダンはアンデッドであり、これを祓わなければ問題は解決しないと知ったハロは、逡巡の末に別れを選択し、ターンアンデッドを行使する。 ところがこのターンアンデッドで、グルグル回るドリル

          「ターンアンデッドしか使えない」あらすじ

          ターンアンデッドしか使えない 第三話

          「転生者ハロ、そちらはどうなった? こっちは大変だぞ! 『伏死殿』そのものがダンジョンの各フロアを合体変形させて、巨大人型ゴーレムとなってまで、首魁を求めて襲ってきているぞ!」 「はああああああああああああ!??」  戦っているT・モンク師匠の言葉を聞いて、もう一回同じテンションの驚きを全員でした。  夜の街を闊歩する巨大ロボみたいなゴーレム、これが『伏死殿』の変形した姿らしい。 「おおおおおおおばあさんおばあさんおばあさんおばあさん」 「その声! ギュルギュル回ってるの

          ターンアンデッドしか使えない 第三話

          ターンアンデッドしか使えない 第二話

          「え、今なんて言った?」 「私、アンデッドなんです」 「いやいやいやいや? アンデッドを使役するんだろうなー、とは思ってたよ?」 「そうなんです、アンデッドを従えてて」 「だよね!? アンデッド使いってことだよね? 屍人使いなんだよねグレンダンはね?」 「はい……。聖職者のハロくんは、私と仲良くするのはよくないかもですが……」 「あ、でも! 屍人使いってだけなら別に僕は気にしないかな? アンデッドだって言われたときはびっくりしたけど! いやー、ははははは! 聞き違いで良かった

          ターンアンデッドしか使えない 第二話

          ターンアンデッドしか使えない 第一話

           接客アルバイトの身で異世界に転生した僕は、偶然拾われた寺院でどうにかターンアンデッドのスキルだけを教わり、試しにダンジョンに挑んで惨敗したところだった。  本物のゾンビやゴーストまじこわい。無理。こっちが帰還させられたっていう。  転生したときに、チートとかも貰ってないし。「流れに身を委ねよ」って声だけは聞こえた気がする。あれが神様の声だったのかな。  流れに身を委ねた結果のそんな一連の流れで、ファンタジー風の街並みにある酒場の二階の、すごいそれっぽい宿屋に帰ってくる僕。

          ターンアンデッドしか使えない 第一話

          「異世界二回転 ~投げキャラスーパースター列伝~」あらすじ

          あらかじめお伝えしよう。 ファンタジー世界のモンスターを、格闘ゲームのキャラクターがどのように倒すのか。これはそういう物語である!! 火竜に襲われたシスターが異世界から勇者を召喚すると、そこに現れたのは格ゲー世界の投げキャラだった。 あらゆる攻撃をガードで防ぎ、無敵時間で飛び道具をすり抜け、投げ間合いに入ったモンスターを問答無用で吸い込む覆面レスラー、ロザリオマスク。 コマンド技や上下ガードや大中小パンチキックなどの格ゲー基本知識をレクチャーしつつ、この投げキャラがむちゃく

          「異世界二回転 ~投げキャラスーパースター列伝~」あらすじ

          異世界二回転第三話 投げキャラVSゴースト、そして立ちガードしゃがみガード

           ピンクの髪の女騎士は、失意の声を老人に向けていた。 「第七の遺物は……この神殿ではなく、祠にある……?」 「ああ。孫娘に取りに向かわせている。だが時を同じくして、飛び交う火竜の姿を見たものもいる……。ともすればもう、間に合わなかったのかもしれん……」 「くっ……! あんな奴らに……!」  女騎士は自らのロングスカートをぎゅっと握り、悔しさを押し殺した。  端正な顔には、感情の変化は見られない。表情と行動とセリフの間に、いささか不自然な溝が感じられた。 「ならば……討伐

          異世界二回転第三話 投げキャラVSゴースト、そして立ちガードしゃがみガード