逆に牛角が「男性限定サービス」をするならどんなものが在り得るか考えてみた
牛角が打ち出した「女性限定食べ放題コース半額」のサービスが「男性差別だ」として炎上した。
報道系ネット番組「ABEMA Prime」でもこの件が取り上げられ、東大教授とひろゆき氏の熱い激論が繰り広げられ、速攻で動画が非公開になってしまったことは記憶に新しい。
この件に関して僕の方でも備忘録としての考察記事を書いたのだが、それなりの閲覧を頂いているみたいで、やはり「男性差別」に対する世間の関心の高さが感じられる出来事であった。
その「ABEMA Prime」の動画内のやり取りで、出演者の一人がこのような論調で牛角の取り組みについて考察していた。
つまり「特定の性別限定のサービスを無くして平等にする」という方針では無く、「両性にそれぞれ限定のサービスを行うことで平等にする」という方針での「男女平等」を提案している訳だ。
一見もっともな意見に思えなくもないのだが、しかしここである疑問が浮かんでくる。
牛角が打ち出す男性限定キャンペーンとは一体どのような物になるんだろう?
そう。この「男女双方に限定キャンペーンを打ち出せばいい」という意見は、社会的に納得できるような「男性限定キャンペーン案」と一緒に提案しないと全くの空論となりかねないのである。
実際、動画内では特に男性限定キャンペーンをどのようにすればいいのかという議論にはなっておらず、具体案もなかった(少なくともYOUTUBEの方では。AbemaサイトのFullアーカイブではどうだったかは分からないが、非公開になっているため確認できない)。
という訳で、今回はもし牛角が「男性限定キャンペーン」を打ち出すとするならば、どのような形の物であれば社会的に納得される範囲で、男性にとって得のあるものになるのかの具体案をこの記事で提案していきたいと思う。
案①「男性限定廉価版食べ放題メニュー」
自分の中の最有力候補がまずこの案である。
食べ放題焼肉とは、大体の場合食べ放題メニューが「定番コース」「豪華コース」みたいに2~3通り準備されていて、値段が高くなるほどたくさんの品目を楽しめるシステムになっている。
安いメニューは肉の種類やサイドメニュー、デザートなどの選択肢が少なくなっているが、そのことに対して不満を訴える声と言うのは出ない。なぜならその分安く食べ放題を楽しむことができるからだ。
牛角が女性限定半額にした理由を「女性の方が食べる量が少ないから」としていたように、男性の方が食べる量が多いという総体的事実がある以上、何の条件も無く男性限定半額にして社会的納得を得ることは難しい。
しかし逆に「男性は食べる量が多い」という点を「男性は身体を維持するためたくさん食べなくてはならないハンディを背負っている」と解釈すれば、「男性のためにメニューは少ないけど、その分安く食べ放題を楽しめるメニューを作りました」という体で限定サービスを行うことに違和感はないのではないだろうか。
男性限定メニューでは、肉の種類を安い部位だけだったり、サイドメニューも最低限のサラダだけとかにすれば、店側にとってもそこまで損のある取り組みにはならないのではないかと思う。
案②「恋人連れ男性限定食べ放題半額サービス」
こちらは上の事例とはまた別に、「男性限定半額」を達成するためにはどうしたら理解を得られるのかを考えた末の案の一つである。
牛角は「女性限定半額サービス」を宣伝する際「カップルで来れば全体の料金が減って男性も得する!」といった文句を謳っていた。
それはその通りなのだが、しかしやはり女性限定のサービスであるため、恋人のいない男性だけが置いてけぼりにされているのが反感を買っていたのだと思う。
そこで今回の「恋人連れ男性限定半額」という提案である。
ここでいう「恋人」は性別を限定していないため、相手は女性でも男性でもいい。そうすることで「LGBTQ」の方にとってもメリットのあるサービスになっているため、社会的理解はより得やすいだろう。
この場合だと、ただの友人でも「恋人です」と偽ってサービスを受けれてしまうという指摘もあると思うが、正にそこがこの案の狙いで、恋人のいない男性同士でも一時的に「恋人である」としてしまえば恩恵にあずかれるという抜け道が存在するのである。
嘘はついていない。「牛角にいる時だけ恋人」でいいじゃないかい。
どうしてもこの点を解決したいのだとすれば、例えば「手をつないで入店する」とか「まずお互いの好きな所を告白し合ってもらって入店する」とかの追加条件を加えてもいいだろう。もしそれでも偽って入店するような人がいたとしても、そこまでしてでも半額で食べたいという熱意を買ってあげればいいんじゃないだろうか。
またこの案の裏の狙いとして、「恋人連れ男性限定」とすることにより男性が意中の相手を食事に誘う際のきっかけになったり、半額で食べたいから頑張って恋人を作るぞと言うモチベーションにつながったりすれば、という思いもある。
現在問題になっている結婚率の低下、延いては少子化の解決の一助になるのでなないだろうか。
案③「ストラックアウトの成績に応じて割引サービス」
こちらは「男女どちらも受けられるけど、総合的には男性側が有利なサービス」を考えた案の一つである。
「性別限定サービス」を行ってしまうと、やはりどうしても恩恵を受けられない側からの不満の声が挙がるのは避けられない。そのため、「男性限定ではないけど、結果的には男性が得するよね」というサービスを打ち出せば世間の理解を得られやすいのではないかと考えた。
ここでストラックアウトを例に出したのはなぜかと言うと、「腕力」という男性優位な面を押し出しつつも、男女平等な「風に」するのが容易な種目であるというのがポイントである。
例えば、「女性の方が男性より2~3歩前から投げられる」みたいな風にすれば女性にも配慮しているように装えるし、更に子供に対しても追加で緩くするような条件を加えれば家族連れからも理解が得られやすくなるだろう。
更にこのサービスで重要な点は、普段社会的に「身体的優位性」を制限されがちな男性に対して、その優位性の発露の矛先を作ってあげることにより、男性が抱えがちな抑圧からくる不満を解消するきっかけになるのではないかという狙いがあることだ。
普段家族からあまり良い待遇を受けていない男性が、ある日「牛角がストラックアウトで割引してくれるって! ちょっとアンタ頑張ってよ!」みたいな風に接したもらえたら、それだけで男性は救われるんじゃないかと、そんな風に考えて提案するのがこの案なのである。
まとめ
今回「牛角が男性限定キャンペーンを打ち出すとしたら、どのような物なら社会的理解を得られて実現しうるのか」というテーマで3つの案を考えてみた。
食べ放題の料金に関して、やはりどうしても「男性の方がたくさん食べる」という前提条件がある以上、なかなか純粋に半額にするというのは難しいとは思う。
しかし今回僕が提案したように、「男性に生来備わっている特徴」や「現代社会において男性が抱えている抑圧」をどのように解釈して応用するかで、いくらでも社会にも理解が得られる男性限定キャンペーンを打ち出すことは可能なはずだ。
かつては当たり前にあった「レディースデイ」「女性割引」という物がやり玉に挙げられるようになり、そこから「女性専用車両」のような「社会的に必要な女性優遇措置」まで非難されかねないような事態に陥っている現代だからこそ、思い切って「男性限定サービス」という物を企業にはぜひ打ち出してもらいたいと思う。
そうすることで男性が抱えている抑圧感情が少しでも解消されれば、男女平等を目指している社会にとっていい影響を与えるのではないかと僕は願ってやまない。