シンデレラシンドローム
王道の少女漫画が好きでよく読む。
ヒロインへの 溢れる程の愛に翻弄される王子様。
そんな男この世にいない。
それがわかる年齢になっても
わたしは少女漫画を読んでいる。
シンデレラシンドローム。
男女平等を目指す世の中になってもう久しいのに
わたしはまだ いい男に認められたいと
心のどこかで願っているようだ。
矛盾
男なんかに負けたくない。
そう思ってる。
でも勝てない男は確かにいる。
勝てない女も確かにいる。
悔し涙を流しながら、性差にとらわれている自分が間違っていたと気付いてきた。
大事なのは何を作り上げたいか。
女だろうが能力が低かろうが、
そんな事はどうだっていい。
作りたい物を作って、喜ぶ人がいればそれでいい。
いや、それが一番いい。
そんなラストキーを手に入れて
とっくに最後のドアを開け、脱出したはずなのに。
こんな気持ちのいい青空の下で、
小さな暗い箱から出られない頃に読んでいた
あの少女漫画をまた読んでいる。
実際にはいない様な異性像でカタルシス。
そういう意味で少女漫画は、
例えどんなに純愛を描いた作品だとしても、
男性向けのAVと大して変わらない。
黒髪ロングストレートで自分に自信のない
可愛いJKの恋に
黒髪でもない
ロングでもない
ストレートでもない
自分に自信がなくもない
可愛くもない30代が憧れる。
まったくもって、ただただ気色が悪い。
矛盾 矛盾 矛盾!
わたしの価値は彼氏で決まったりしない。
わたしを心底愛して、わたしの言葉の一字一句を大切に覚えて、一生かけてわたしの脳みそをスキャンしてくれる男なんているわけがない。
よくわかっている。
よくわかっている!
わかった上でわたしは、たぶんそんな男を求めているんだ。
だってわたしは、恋人を心底愛して、その言葉の一字一句を大切に覚えて、一生かけて脳みそをスキャンし続けたいって思っているのだから。
まったくもって、ただただ怖い。
怖い女とはわたしだ。
でもいい。
サクランボは佐藤錦以外は食べない。
佐藤錦がこの世に無かったら、きっとわたしはサクランボを食べたいと思わないんだと思う。
なんのこっちゃ?そうだよね。
でもわたしにとっては同じ事なんだ。
いなければいないで構わない。
だからずっとシンデレラシンドローム。
AV女優やそれに準ずるあのキャラに憧れてる男子、
お前も立派なシンデレラシンドローム。
少女漫画とAVがこの世からなくなれば、
男女はもっと理解し合えるんじゃないかと思う。
でもそんな世界、考えただけでつまらない。
男は少女漫画を輸入していい彼氏と思われる。
女はAVを輸入していい彼女と思われる。
そういう世界がこれ。
少女漫画のヒロインにもAV女優にも程遠いわたしが、
簡単に男からバツを付けられる。
そういう世界がこれ。
自分がまるで間違った生き物のように思える。
そういう世界がこれ。
自分の人生の主人公は自分のはずなのに
さっぱりそう思えなくなってしまう。
そういう世界がこれ。
難攻不落。
なんておもしろい世界なんでしょうね(ため息)。
恨んでもいいはずの世界の、元凶と言ってもいいような少女漫画。
わたしの大好きな読み物。
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