廣島鉋会

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鍛治をたずねて三千里 (3)      薄削りの究極を追う 山本文義氏         動かない台

削ろう会会報53号 寄稿  かれこれ35年ほど前のことである。四国愛媛の宇和島湾、とある鉋鍛冶が釣りの旅に来ていた。それを聞きつけたひとりの大工が宿を探しあてて訪ねて行った。大工はその縁で二枚の鉋を手に入れた。がしかし、思ったほど切れなかった。  その大工は山本文義さん、宇和島市吉田の入り江から少し入った緩やかな坂に続くみかん畑の側に細工場はある。削ろう会は小樽大会(2003年9月開催)を初めて見学し、大会への参加は厚木大会(2004年4月開催)からだった。それから薄削りに

    • 鍛冶をたずねて三千里 (10)            銘は変われど 受け継ぐ~齊藤さんと淡中さん、そして〜

       削ろう会川越大会の熱さ冷ましに都心の宿で一晩を過ごした。翌日そこからたずねる先の西東京市に車を走らす。東京都庁の高層ビル街を背に新宿の交差点を曲がるとカーナビは中野の地であることを告げてくる。そわそわザワザワと気持ちが落ち着かなくなる。約束の時間を気にしつつ、ちょっと側までとその感傷の発する場所に近づく。結局、車を道端に投げ置きそこまで走った。市弘さんの細工場は静かにそのまま今もあった。玄関前で頭を下げて車に戻る。  西東京市に来るともう超高層ビルの影はない、入り組んだ住

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