おかひじき3

【レシピ付】歴史は江戸から。シャキシャキ無限おかひじき

春の山菜シーズンがひと段落し、夏野菜がつるや葉を元気に伸ばしている間に、ぐんぐん伸びて出回って来るのがおかひじきだ。
畑のビニールハウスで栽培され、そのスギナのような切れ込みの深い繊細な葉を伸ばした姿と、アクも苦みもなく爽やかな歯ごたえは、初夏の立派な緑黄色野菜だ。
山形県での栽培の歴史は古く、江戸時代初期にはもう置賜地方で栽培されていたという。
全国でもトップレベルの栽培歴を誇る。
最上川を利用しての交易が盛んなころ、庄内浜近くの砂地に生える個体の種が船に付いて内陸部に運ばれ、船着き場のあった現在の南陽市・梨郷に伝わり、育てられるようになったというのが有力な説だ。

だが元は野草と言っても、繊細な草姿に比例するように、おかひじきの栽培は困難を伴う。
まず、しゃきっとして瑞々しい触感を保つための管理がとても難しい。
南陽市の畑地に一面に広がるオカヒジキ畑は、ほとんどがビニールハウスに覆われている。
そこでは主な生育期の初夏~梅雨期の温度や湿度の変化にきめ細かに対応することが求められる。
雨が降ればすぐにハウスを閉じ、止んで陽が出てくれば風通しのために一刻も早くビニールを開け、風通しと湿度を爽やかに保たなければならないのだ。
草自体が繊細で、湿度と温度であっという間に病気が広がることもあるし、使える農薬がほとんどないので、市販されているものは、ほぼ完全に無農薬。
茹でればぐっとかさの減る野菜だが、それが食卓に上るまでには、他の野菜同様、いやそれ以上に生産者の努力と苦労があるのだ。

ともあれ栄養的にもカロチンや鉄、マグネシウムが大変多い優秀野菜。
出盛りの物を見つけたら、季節の味をモリモリ食べよう。
くせもなく色んな料理法でも合うので、ポピュラーな辛子和えやワサビ和えだけでなくいろいろ試してみてください。
私が試した中では、美しい色を生かしたベトナム風の生春巻きなど、とても美味。
甘酸っぱいスイートチリソースとおかひじきがよくマッチしていた。

【レシピ】シャキシャキ無限おかひじき

【材料】
おかひじき1パック
ツナ缶 小1缶
醤油 小さじ3
みりん 少々(なくても良い)
和辛子 多めの少々。好きなだけ
ごま油 少々
(好みでおかか 小1袋)

(1) おかひじきは根元の固い部分を少し切り落とし、塩少々を入れた沸騰した湯でさっと茹でる。実家ではゆっくり10数えるくらいの間隔。

(2)ざるにあけ、大急ぎで冷水にさらし、充分に冷やしておく。あく抜きというよりしゃきっと保つため。

(3)ツナ缶を汁ごとボウルに開け、醤油とみりん、和辛子(チューブでよい) をよく混ぜる。缶の油が気になる人は軽く切ってもいい。またツナの水煮缶でもあっさり美味しくできる。
(4) おかひじきの水を切って固く絞り、2センチ長さに切り、食べる直前にツナのソースで和える。ごま油をひとたらし、好みでおかかを混ぜて出来上がり。

なぜ無限かというと、インターネットでの野菜家庭料理で、ツナ缶と醤油、ごま油、じゃこやおかかと和える『無限ピーマン』『無限キャベツ』などが流行っているから、あやかってみました。

ツナ缶の汁気をよく切り、醤油・辛子・マヨネーズ少々でソースを作っても美味しいです。
ツナ缶の代わりに茹でた鶏のささ身や胸肉も合います。その場合はわさび醤油の方が味が合うかもしれません。
市販のサラダチキンを使えばボリュームも出て手軽ですが、塩分に要注意。ものによっては塩味が濃い物もありますから、醤油の量を調整してください。

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