4【硝子のろうそく立て】
灯火具が好きで、細々と買い集めている。
小さな硝子製のろうそく立て。
そのストンとしたフォルムや面取りが施されたデティールに、ヨーロッパのものかと足を止める。
聞けば、大正時代の硝子製。
割線が残っていて、内側は空洞。
作りはそんなに丁寧でもないし、大量生産だろう。
時間が経った硝子製品によくある、ごわごわとして波打つような肌。
対になって仏具として使われていたものだろうか?
乳白色の曖昧とした姿は、神棚のもののようにも思える。
内側の、放射線状に伸びる線が可愛らしい。
制作工程に必要だったのだろうか。
どういう型の構造なんだろう。
正直、古道具として特筆するべきことはないかなと思う、
なんでもないものなのだけれど、
半透明の独特な存在感を持っている。
灯火を支えるための道具である。
2019.2.5 @ HANAMIZUKI