ナイトクローラーとマイ・インターン

ギンレイホールにて鑑賞。

『ナイトクローラー』はジェイク・ギレンホール主演で事件報道のスクープを狙うカメラマンの話。『マイ・インターン』はロバート・デニーロとアン・ハサウェイ主演で、ECサイトのシニア・インターンと新進気鋭の若手社長を描く。ジェイク・ギレンホールの怪演は『タクシー・ドライバー』のロバート・デニーロを彷彿とさせる。同年公開の話題作とはいえ、毛色の違うこの2作を同時上映に当てたのはそんなところから来てたりするのかな。実はジェイク・ギレンホールとアン・ハサウェイは『ラブ&ドラッグ』(現在Netflixにて配信中)という作品で共演してたりもするので、そんな事も思い出しながら鑑賞。後でクレジット観て知ったのだけど、『ナイトクローラー』のディレクターと『マイ・インターン』でデニーロのお相手役のマッサージ師が同じルネ・ロッソだった。全く別人のように見えた。女優ってすごい。

マイ・インターン ☆4

『タクシー・ドライバー』だけでなく『ゴッド・ファーザー part2』のマフィア役に『レイジング・ブル』のボクサー役、若かりし頃は尖った役の多い印象があるデニーロだけど、『マイ・インターン』では温和でジェントルなシニア・インターンを演じている。子供世代を優しく見守るシニアという立ち位置では『みんな元気』を思い出す。(*小津安二郎監督の『東京物語』をモチーフとして使っているこの作品は何度観ても号泣。親子ものに弱い私の中では泣ける映画ベスト3に入る、呼吸困難になりそうなくらい泣いた映画。実はディズニー製作なので、親・子ども・恋人、誰と一緒に観ても気まずくならないというメリットもあって、おすすめ。)ちょっとしたしぐさや細かい表情まで行き届いたデニーロの演技はさすが、というか安心して観ていられる。『プラダを着た悪魔』ではファッション誌で暴君編集長に悩まされるアシスタントを演じていたアン・ハサウェイが今度は逆にファッション系ショッピングサイト運営の社長ということで話題になっていたけれど、実際のところは仕事と家庭の両立に悩む、わりとどこにでもいそうな三十代半ばの子持ちワーキング・ウーマンで、女性客の共感を呼ぶ作戦ぽい。片やデニーロ演じるベンは温厚で人当たりよく、人生経験も豊富な「みんなのおじさん」として男性社員達のお手本に。親子関係や恋愛関係からママ友付き合いまで、みんなのお悩み解決に控えめながら「年長者の知恵」を授けていく。若者vs老人ではなくて、シニアはシニアで若者に刺激を貰うし、若者は若者で好き勝手やりつつ、シニアからいい影響を貰う。こんな関係が築けたら理想だよね。娯楽色は強いけれど、メリハリがあって120分飽きずに楽しめた。これぞハリウッド!という作品。

ナイトクローラー ☆3

ジェイク・ギレンホールが不気味。『マイ・インターン』では瞬きしない人間は気味が悪くて嫌い!というシーンが出てくるけど、この作品のジェイク演じるルーも全く瞬きしない。瞬きしないどころか常に目をひん剥いてて半ばホラー。途中なんとなく筋書きが読めるけれど、ラストはえ!そうやって終わるの!とぽかーん。報道過熱で起こった狂気、というよりは最初からサイコパス系の人がひょんなことからその道に入って案の定やりたい放題始めました、という映画。スピード感もあるし、手に汗握るエンターテイメント映画としてはいいけれど、あんまりまた観たい!と思える映画ではないかも。気味悪くって。


#2016年に観た映画 #映画の感想

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