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アーヤと魔女

「アーヤと魔女」
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 作
田中薫子 訳
佐竹美保 絵
徳間書店

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの生前最後の作品です。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズといえば大魔法使いクレストマンシーのシリーズやハウルの動く城の原作シリーズが思い出されますが、それらの長さに比べて、こんな短い作品も書いていたのか、と驚きました。
彼女の作品を読む際に、毎回必ず開くのは、カバーのそでの著者紹介です。
表紙または背表紙をめくると、なんとも魔女っぽいダイアナ・ウィン・ジョーンズの顔写真が目に入ってきます。魔女だったのかもと思わずにいられません🤣
加えて、指輪物語のJ.R.R.トールキンに師事したとあって、妙に親近感が湧いてきます。

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"聖モーウォード子どもの家"で暮らすアーヤは、ある日、魔女の家に引き取られます。魔法を教えてくれると思っていたのに、毎日こき使われるだけなので、うんざりしたアーヤは黒猫と協力して、魔女をこらしめる呪文を作り始めます。
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自分を抑圧するものには恐れずに立ち向かい、周りを思い通りに操るずるがしこさから、アーヤは天性の魔女かもしれないと思いました。
末恐ろしい…
同時に、アーヤがどうやって魔女を懲らしめるのか、わくわくしてしまいます。アーヤの本当の名前にも注目です。

挿絵もなかなか面白いです。
まさに文章を引き立てる絵だなと思うし、絵柄と作品の相性がとてもいいです。
それから、アーヤはお気に入りの友達のカスタードの似顔絵をベットの横に飾っているのですが、カスタードの顔がなんともいえない表情をしています。
アーヤが引き取られてから一度も遊びに来ていないのは、実はアーヤが怖いからなのでは?!と思ってます。

この作品は、ジブリ映画になっているそうです。1時間以上の映画にどうやってするんでしょう🤔
原作の良さを活かした作品になっていたらいいなと思います。

原作のある映画についていえば、幼いころの我が家のルールのひとつに、「映画を観る時は、原作を読んでから観ること」というものがありました。
面倒に思うこともありましたが、今では大切な約束だったと思っています。
映像で具体的なイメージを伴って取り入れた情報は、本をよんだときの想像力を邪魔してしまうからです。また、演じる俳優さんによって、原作を読むときに、文章から想像する登場人物のふるまいに影響を与えてしまうことも実感しています。
それは『羊と鋼の森』を読んだ時です。当時映画の広告で山﨑賢人さんが演じるということを知っており、彼の演技を何度か見ていたことから、本を読んでるときに山崎さんの演じるイメージが頭の中に幾度も出てきてしまいました。
たとえ映画を観ていなくても、俳優さんの持つイメージが読書時に登場人物に影響を与えてしまうこともあるのだと、気づいたきっかけになりました。

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