小さなトラブルと大きな事故から学ぶ失敗の教訓|これは「人災だ」とよく聞くけど、結果論や不可抗力が意外と多いんじゃないの?
NOTEのお知らせで3月中に投稿すると3か月連続で投稿できることから、今書いている。
お題のとおり、結局後付けが多いよねという内容。
なんでもよく考えてことに当たりましょうとか、常識は疑ってかかれというけど、それって実際はとっても難しいよねというお話。
(じゃぁ、どうするんだがないかもしれないけど、そうなったらごめんなさい・・・)
小さなお話:システムトラブル!さてこれは人災?
まずは、ちっちゃなちっちゃなお話。でシステムのトラブル対応。
実はとあるコンピュータシステムが、トラブっちゃったんです。
そのシステムは、自動処理がいろいろと流れていて、DBにデータが登録されるながれです。システムは一目見て完全に動かない状態で怪しかった。それゆえ自動処理は安全のため止めたのです。(←この状況覚えておいてくださいね)
ところがです、次の日になると、なんと管理者でもそのシステムにログインできなくなっちゃってるのです。
今時のクラウド環境。リモートで入るのが普通です。マシンはクラウドの安定したところに健全に存在し続けてます。
しかし、ログイン画面でいろいろはじかれる。「リモートでログインできませんよ。」リモートしかないのになんだこのやろう!です。
結局、サーバーを1日前に戻しました。
そして、サーバーにたまったデータも処理されずバイバイ。
今思うと、サーバーが怪しくても自動処理は止めない方がよかったとなりました。なぜなら、データはデータベースに登録され事なきを得ていたはずだったので・・・これって人災でしょうか?
大きなお話:福島のメルトダウンは人災?
急に大きな話になっちゃいました。福島のメルトダウンは人災とよく言われます。たしかに、電源喪失してからは判断が後手後手に回ったこともあるでしょう。
しかし、当時の対処に当たった人たちは、ほぼ初めての経験。みんな一生懸命だったのは間違いない。(海水入れると炉が壊れるから真水で・・・と揉めてるのはあったけど。しかし、現場にいなかったり、別の立場だとそんな発言が出ちゃうこともあるかもしれない。【擁護しているわけでないです。実際、立場がかわるとそんなもんだよ。という話です。】)
そもそも、非常用電源が低いところにあったのが問題とされ、なんでこんなところに作っちゃったのか。と多くの方々が思ったことだろう。
低い位置に作ったのが問題。津波を考慮してもっと高い場所につくるべきじゃないか。こんなの誰がみたって一目瞭然ではないか!!・・・と。
しかし、結局、これも結果論かもしれない。
もし、ぼくが当時の導入担当であっても低い位置に作ったと思う。そして作る側も低いところに作ってだろうと考える。
なぜなら、40年以上前の当時は、原発入れるのは日本では初期です。当時は原発の知見も少なく、アメリカのGE(ジェネラルエレクトロニクス)からの導入となりました。
そして、GEからの導入の条件のひとつに、「設計はGEの言う通りにする」ことがあった。理由は、そうしないと安全が確保できないからだ。
日本側からみれば、依頼をすれば、導入後はスイッチを入れるだけで済みます。よく言えばお任せできるので「ワンストップ」、悪く言えば「丸投げ」。
しかし、自分たちにノウハウがないなら、お金で解決するのは今でも用いられる方法ですよね。
アメリカの最大の脅威はハリケーン➡低い場所が一番安全
さて、原発の非常用電源です。アメリカでも非常用電源は当然のようにトップで大事な施設なので守るべき施設。
ただ、アメリカは津波はあまりこないのです。それよりも怖いのは、ハリケーンや竜巻なのです。なので、低い位置に非常用電源を作ったのです。
GEも今までの経験を存分に生かして、作ったのかもしれない。こう作れば安全なのだと。今まで積み上げてきた技術と知見を信じて。
日本も、GEに任せておけば大丈夫!日本はまだ原発の経験も少ないし、なにしろ契約もGEにおまかせになってる。GEの方法が一番なのだろう。と
これ聞いて、当時携わった人が原発安全性とまだ来ぬ津波の危険とを天秤にかけ「いやここは津波が来るからできるだけ高いところへ作ってくれ」と言えただろうか。日本側が言えたとしてもアメリカ企業に押し通せる立場とパワーがあっただろうかと考えると、はなはだ疑問が残ります。
人は失敗から学んでいくしかない
結局、大きな事故は起こってしまいました。戦後最大の日本の失敗なのかもしれない。
この失敗をもとに、何を学んだか、そしてどう生かすか。を進めるしかないと思うのです。
ぼくが招いたシステムトラブルも一つの経験となりました。そして学びもたくさん得ました。
原発もとっても大きな失敗ですが、たくさんのことを学んでいるはずです。これを、次に活かして私たち自身をアップデートしていくしかない!
と思った次第であります。
記事を書くにあたり「新失敗学」を参考にしました。福島原発の非常用電源の設置場所については本書で初めて知りました。今読みかけ、でも続きが気になるので良書です。