ウクライナ映画『ザ・トライブ』:全編手話で描かれるろうあ者の日常と闇
昨日、「ザ・トライブ」という映画を見ました。この映画はウクライナの映画で、ろうあ学校が舞台となっています。
世界初の全部手話で描かれています。そして、なんと字幕がないのが驚きました。
つまり、手話ができないと話の内容をつかむことができないのです!
耳が聞こえないを乗り越えるというハッピーストーリーを想像しないこと
上記がザ・トライブのパッケージ画です。なんか感動の物語とほど遠いとおもいませんか?
売春・暴力・ゆすり・たかりばっかりのバイオレンス映画です。ハッピーストーリなんてどこにもありません。
ろうあ者も健常者と変わらぬ価値観を持っている
映画は、バイオレンス要素満載です。非常に陰湿な感じの映画になってます。そこで私が感じたのは、ろうあ者を特別扱いしないで欲しいというメッセージ性です。
ろうあ者でも犯罪をするものはいるし、売春するものもいる。いじめやたかりもする。あまり良いとはいえない行いですが、健常者と変わらないよということを訴えているように思えました。
自然音だけで構成されている映画
映画に効果音やバックサウンド的なものは一切ありません。ほぼ自然音です。みなさんからすればつまらなく思うかもしれませんが、本映画は全ろうあ者で構成されている。
耳が聞こえない人からしたら、いくら効果音があってもそんなものは聞こえないです。つまり、
映画は、字幕なしの手話で繰り広げられます。そして効果音はありません。すべて自然音で構成されているのでとても静かな映画です。
バイオレンス映画で、最後はこれまた壮絶なのですが、その反面で、その中で、ろうあ者も普通の人間なんだということが強く印象付けられました。
自然音なのに、ひきつけられて最後まで見てしまう映画
ザ・トライブは、盛り上げるバックミュージックなど存在しません。すべて自然音です。
人によってはつまらないと思うかもしれません。しかし、演者はすべてろうあ者。迫真の演技でもあります。
喧嘩をするのですが、手話での喧嘩はものすごい速さで手を動かし、体全体で表現しています。そのシーンがいたるところにあります。手話で喧嘩ってなかなか聞かないですよえ。
まとめ:ストーリーを想像して映画を見るのもたまにはよい
今日は、ウクライナの映画「ザ・トライブ」をご紹介しました。初めて見る方にとっては、全部手話で自然音しかない映画でびっくりするかもしれません。
けれど、いままでにない斬新な映画なので一度みていただけるとうれしいです!