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【無料】SGLT2阻害薬比較:エビデンスと適応では、フォシーガ>ジャディアンス>カナグル、その他?

みなさん、こんにちは。
現役医師兼イシヤク開発者の吉永です。

さて、今回は、糖尿病のSGLT2阻害薬6つ(スーグラ・フォシーガ・ルセフィ・デベルザ・カナグル・ジャディアンス)を比較していこうと思います。

個人的には、フォシーガ>ジャディアンス>カナグル>>デベルザ・ルセフィですね。

1)スーグラ(アステラス/MSD)

・1型糖尿病にも使用可能(フォシーガとスーグラのみ)。
・肝機能が低下している場合などに対する低用量規格(25mg錠)もある。
・DPP-4阻害薬との配合剤(スージャヌ配合錠)がある。

2)フォシーガ(アストラゼネカ/小野)

・2020年11月、慢性心不全の適応が追加された(2型DM合併の有無に関わらず左室駆出率の低下した心不全を対象とした第Ⅲ層DAPA-HF試験の結果に基づく)。
・他のSGLT2阻害薬(朝食前または朝食後投与)と異なり食事の影響を受けないことから食前・食後のいずれでも投与可能。
・1型糖尿病にも使用可能(フォシーガとスーグラのみ)。
・2021年8月、慢性心不全の適応が追加された(2型DM合併の有無に関わらずCKD患者を対象とした第Ⅲ層DAPA-CKD試験の結果に基づく)。
・糖尿病:1日1回5mg。1日1回10mgまで増量可。慢性心不全:1日1回10mg。

3)ルセフィ(大正製薬)

・通常1日1回2.5mgを投与し、効果不十分な場合は1日5mgまで増量可。
・アレルギー性疾患治療薬の、ルパフィンとの取り違えに注意。

4)デベルザ/アプルウェイ(興和)

・SGLT1と比較してSGLT2を高選択的に阻害するため安全性に優れている。
・半減期が約5時間と他剤と比べて短いため、夜間頻尿や、それに伴う不眠が起こりにくいと言われている。
・1日1回20mgを投与。用量調節ができない。

5)カナグル(田辺三菱/第一三共)

・SGLT2だけではなくSGLT1も阻害し(SGLT2低選択性)、健常者に用いた研究では糖質吸収を遅らせる。
・DPP-4阻害薬との配合剤(カナリア配合錠)がある。
・用量調節ができない。

6)ジャデイアンス(ベーリンガー/リリー)

・米国では、動脈硬化性心血管疾患を有する2型DMへの投与が推奨されている。
・DPP-4阻害薬との配合剤(トラディアンス配合錠)がある。
・慢性心不全の適応申請中(2021年8月時点で未承認)。


ここからは、個人的な意見になりますので、その点ご了承ください。


エビデンス・適応レベルでは、フォシーガ>ジャディアンス>カナグル、その他

現時点で慢性心不全に適応を有しているのはフォシーガのみで、ジャディアンスも追随しようとはしているが今年後半の承認になる見込みなので、フォシーガが一歩リード。

フォシーガは慢性腎臓にも適応追加(8/25)され、順調に適応拡大していっている。

ジャディアンスは、日本ではまだ慢性心不全に対する適応承認は降りていないが、HFrEFだけではなくHFpEFでも心血管死または心不全による入院リスクをが低下した(EMPEROR-Preserved試験)として、盛り上がっている。

スーグラは、国内で一番最初に出されたSGLT2阻害薬で、1型DMにも使える点は良いものの、エビデンスが国内に偏りすぎていて、不足感が否めない。なぜ、国内でシェア率がこんなに高いのかは不明だが、マーケティングによるものか?

ルセフィは特に特徴なし。エビデンスも少ない。

デベルザ・カナグルは用量調節ができないので、治療選択肢がやや狭まるのは欠点。

という印象でしょうか。イシヤクでは各薬剤の特徴をコンパクトにまとめていますので、ぜひ使ってみてください。無料です。

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