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ISHIYA私観ジャパニーズ・ハードコア30年史外伝〜「失った右手が掴んだもの」マサミ伝〜#13 T大オールナイトGIG

「#13 T大オールナイトGIG」

 1982年に入り、マサミはハードコアパンクのライブにも行くようになるのだが、そのきっかけはディスコでの出会いだったと思われる。
 すでにトラッシュは無くなってしまっていたが、ツバキハウスやクライマックスなどで遊んでいたマサミは、この頃に多くのハードコアの人間たちと出会うことになる。
 当時ハードコアパンクバンドを始めた人間の中で、一部の人間たちがディスコにも行くようになり、そこでマサミやヒロシのトラッシュ連と遭遇していく。この出会いによって、マサミもハードコアパンクの世界に足を踏み入れた可能性が非常に高い。
 しかしすでに81年のまだトラッシュがある頃に、マサミはヒロシとバンドだけは結成しており、名前もTHE TRASHと決められていた。まだバンド名を決めて、マサミとヒロシでバンドをやると決めていただけで活動は全くしていなかったが、メンバーが全員揃ったのはトラッシュがなくなったすぐ後だったようだ。
 そのTHE TRASHのメンバーを中心として、ディスコで一緒に遊んでいる仲間たちも含め、トラッシュ連と呼ばれるようになって行ったのだろう。
 そしてハードコアパンクバンドの人間たちが、トラッシュ連を認識したライブがあった。
 1982年5月に行われた、T大オールナイトGIGである。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!