健全な精神は健全な肉体に宿る???
『健全な精神は健全な肉体に宿る』
結構有名なこの名言っぽいものをどこかで聞いた事があるかと思います。
「だから体を鍛えよう!」という体育会系のノリ。
言わんとしてることはわからないでもないですが、イマイチ納得できません。というか嫌い。
健全な肉体を持つ者が健全な精神をもっているかと言えば必ずしもそうとは言えないと思います。
所謂”困ったちゃん”の大半は元気いっぱいの健全な肉体をもつ人々です。
ヤンキー・反社・迷惑クレーマー……いずれも立派な体躯を持っている人が多いと思いませんか?
何か変だな? と思い調べてみると腑に落ちる答えがちゃんとありました。
そもそもこの名言は古代ローマの風刺詩人「デキムス・ユニウス・ユウェナリス」の『風刺詩集』に登場した一節です。そしてユウェナリスは弁護士という肩書も持っていました。
弁護士である以上、理解しがたい目を覆いたくなるような事件にも接することがあったと思います。そういった経験から原本では、
「健全な精神が健全な身体の中にありますように、と願われるべきなのだ。」
と実際は書かれているのです。
つまり「そうあってほしい」という願いを表した一節で、ユウェナリスは「現実はそうでないことが多い」ことを風刺として訴えていたというのが真相です。
ではいつごろから本来の意味とは逆の使われ方がされたのか。
さらに近代では、
どうやらプロパガンダに利用され本来の意味ではなく広まってしまったようです。
ちなみに現在では、
とのことです。
裏を返せば、『健全な精神は健全な肉体に宿る』というスローガンが叫ばれ出したら危険なのかもしれません。軍国主義の始まりの合図かも。
要注意です。
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