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スタンダールシンドローム

美しい絵画を見た時、
傑作映画を観た時、
感動のあまり動悸が速くなったり、めまいを起こしそうになったことありませんか?

そんな状態のことを『スタンダール症候群(スタンダールシンドローム)』と言うそうです。

美術的・文化的価値の高い芸術作品を鑑賞した人が動悸・めまい・失神・錯乱・幻覚などの症状を呈する心因性の疾患。フランスの作家スタンダールは、1817年にフィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂を訪ね、ジョットのフレスコ画を見た際に、至福感とともに激しい動悸に見舞われ卒倒しそうになった経験を著書「イタリア紀行」に記しているが、フィレンツェを訪ねる観光客に同様の症状が多く見られることから、1979年にイタリアの心理学者が命名した。

デジタル大辞泉より

私はさすがに失神・錯乱・幻覚まではありませんが、とんでもなく感動した映画を観終わった後呆然としてしまいしばらく座席から立てなかったことがあります。
これも一種のスタンダールシンドロームだったのでしょうか。

優れた芸術作品は感動を与えるだけでなく、心や体にダメージを与えてしまう危険な劇薬なのかもしれませんね。


……などと締めたいところですが、この話には続きがあります。

[補説]原因は解明されていないが、壁画や天井画などを鑑賞するために長時間首を反らせることで頸部の動脈が圧迫され、脳への血流が一時的に阻害されるために起こるとも考えられている。

デジタル大辞泉より

なんということでしょう。
科学的に説明されてしまいました。
浪漫も何もあったもんじゃない。

さらに類似の症例として、「美容院脳卒中症候群」というものがあるそうです。

美容院などで洗髪を受けている人が手足のしびれや頭痛などの症状を起こすこと。原因は解明されていないが、首を反らした状態で洗髪を行うことによって、頸部の動脈が圧迫され損傷することが原因とも考えられている。

デジタル大辞泉より

いずれも”原因は解明されていない”仮説で、
「スタンダールシンドローム」 = 「美容院脳卒中症候群」
が証明されたわけではありません。
まだ浪漫の余地は十分残されていると信じたい。


「スタンダールシンドローム」
はたして原因はいかなるものか。
今後の研究に期待しましょう!
……研究してる人がいればの話ですが。


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