なぜSEOでは検索順位が重要視されるのか?
こんにちは、アイオイクスの石戸です。
SEOと言えば、一般的に「検索順位を上げるWebマーケティングの手法」という認識があると思います。
そして、SEOについて語られる際は、「〇〇をすると順位が上がります!」というフレーズがよく使われます。
一方で、SEOに取り組む最終的な目的は売上を上げることであり、SEOによって自社に明確なメリットがもたらされなければなりません。
単に検索順位を上げても意味がないため、このような批判の声が上がることもあります。
検索順位を上げても流入数が増えなきゃ意味ない
検索順位を上げた実績ばかりアピールしているが、それがどのように売上に繋がったのかを示してほしい
確かにこれらの批判はもっともであり、SEOに取り組むうえでは、回答を用意しておかなくてはならないでしょう。
しかし、SEOで検索順位が重要視されるのには理由があります。
そこで今回は、「SEOで検索順位が重要視される理由」と「検索順位の捉え方」をまとめてみたいと思います。
SEOで検索順位が重要視される理由
SEOを実施する上では、まずキーワードごとの検索順位を追い、その次にWebサイトのセッション(アクセス数)、コンバージョンを追うことになります。
一見、検索順位はセッションやコンバージョン数の数値とは関連がないように思いますが、ここで2020年に海外のシストリックス社が出した「検索順位とクリック率の相関グラフ」を見てみましょう。
使用しているデータが不明であるため、あくまでも参考程度に見るべきグラフですが、1位のクリック率が28.5%、2位が15.7%、3位が11.0%であるのに対し、10位は2.5%とかなりの差があることが見て取れます。
単純に月間1,000回検索されるキーワードであれば、1位は285回のアクセスを、10位は25回のクリックを得られる計算になります。例えまったく同じページでも、クリック数は1位と10位で約10倍の開きがあるのです。
また、このグラフは10位までしかありませんが、11位以降はもっと数値が下がっていきます。3ページ目に表示される21位以降はほぼクリックされないと言ってよいでしょう。
検索順位が上がれば、同じキーワードでもクリック数は増える。これが検索順位を追うべき理由です。
また、明確なデータはないので参考程度にはなりますが、検索順位が上がるほどコンバージョン率は上がる傾向にあります。
考え方として、「課題解決を急いでいるユーザーは、複数のページを見る時間すら惜しい」と捉えておくと良いと思います。
・急にぎっくり腰になってしまった
・熱中症になってしまった
・仕事で使っている道具が壊れてしまった
このように、急な対応が求められるキーワードでは、特に検索順位を意識しておくべきです。
(もう少し広い観点で言えば、検索順位を意識するだけでなく、リスティング広告で上位に出しておくことも考えた方が良いです)
検索ボリュームが多いキーワードで検索順位を上げる
検索順位の向上をアピールすることに対しては、「検索順位を上げても流入数が増えなきゃ意味ない」という反論が寄せられます。
これはもっともな意見で、仮に1位を取ったとしても、ほぼ検索されないキーワードでいくら1位を取っても流入数は増えません。
そのため、あらかじめ検索されることがわかっている「”検索ボリュームが多いキーワードで”検索順位を上げること」は前提として意識しておくべきです。
検索順位の捉え方
キーワードの検索順位は1位から100位までを計測することが一般的です。
それでは、あるキーワードで1位から100位までの順位が付いたとき、その順位をどのように評価すれば良いのでしょうか?
ここからはSEOに携わってきた経験を踏まえた上で、以下のように順位の捉え方を解説していきたいと思います。
1~3位
4~10位
11~30位
31~100位
圏外
1~3位
SEOにおいて検索上位であり、「最も良い順位」と評価できます。
クリック率も高く、コンバージョン率も高い状態にあります。
理想を言えば1位を取れると良いのですが、1~3位にあるページの差分はわずかであり、任意に施策を行って3位から1位に上げることは難しいです。
3位から1位に上げる施策を打つ前に、1~3位に入っていないキーワードを上げる方を優先しましょう。
一方で、もし1~3位から順位が落ちてしまったら、真っ先にページの内容を見直すべきキーワード群となります。
4~10位
1ページ目には入っているが、検索上位ではない順位です。
しかし、11位以降と比べるとクリックされる確立は一定数あり、4~5位であれば及第点と言えます。
もし検索ボリュームが大きく、自社にとって利益をもたらす可能性が高いキーワードであれば、もうひと伸びが見込める施策を行い、1~3位を目指しましょう。
11~30位
1ページ目には入っていないが、もう少しで入る可能性のある惜しい順位です。
11~30位にあれば、そのキーワードでは一定の評価は得られているため、もう少し施策を行うことで1ページ目に入れられる可能性があります。
1ページ目に入っているWebサイト群が、SEO観点で強くない場合は頑張って1ページ目を目指しましょう。
31~100位
4ページ目以降にあり、ほぼクリックされない順位です。
1ページ目のみならず、2,3ページ目にも入っていない場合は、順位が付いているページの内容がそのキーワードの検索ニーズとズレている可能性が考えられます。
そのため、既存のページにテコ入れするのではなく、新しいページを作って、そちらのページで狙いに行く方が評価されるケースは多いです。
このエリアに属するキーワードは検索順位の変動も大きく、事細かに順位を変動を追うメリットは薄いため、一喜一憂しないようにしましょう。
※参考
1位から100位までの順位変動を「順位変動の合計値」で追っているケースがたまに見受けられますが、31~100位はブレが多すぎるため、計測に含めない方が良いです。
もっと言えば、1~3位、4~10位、11~30位のエリアもなるべく混ぜずに評価した方が、実際の影響度に即した結果になります。
圏外
対象のキーワードでまったく評価されていない状態です。
重要度の高いキーワードで圏外になっている場合は、ページの内容を大幅に刷新するか、新規のページを作って充てにいきましょう。
一方で、アップロードされてから2週間も経っていないページは、まだ評価が追い付いていない可能性が高いので、多少は様子見することも大切です。
また、もし計測しているキーワード群に圏外のものが多い場合は、必要以上のキーワードを計測してしまっているケースもあります。
すべてのキーワードを同じ熱量で観測することは難しいため、あまりにも圏外が多い場合は、思い切って計測するキーワードを絞ることも検討しましょう。
まとめ
SEOで検索順位が重要視される理由は、検索順位を追うことが最終的な目標数値に紐づくためです。
ただ、目標数値に紐づけるためには「検索流入が見込めるキーワード」で検索順位を追うことが大切になります。
順位の変動を眺めているだけでは、有効な施策は思いつかないため、検索順位の変動をただのデータにしないためにも、目的を持って見るようにしましょう。
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