【SEOの逆算思考】目的ありきの施策への取り組み方
こんにちは、アイオイクスの石戸です。
SEOが一般的なデジタルマーケティングの施策となって久しいですが、まだまだSEOは敷居が高いなと思うことがあります。
SEOは検索順位を上げて集客するための施策であるものの、「検索順位を上げて→XXX→集客する」までのXXXに数多くの施策が詰め込まれているからです。
「リンクを集めよう」「良いコンテンツを作ろう」「これからはテクニカルSEOの時代だ」と数多くの情報が溢れる中で、施策の優先度を決めるのはかなり難しいのではないでしょうか。
そこで今回は、「SEO施策の優先度を決める上で役立つ考え方」について、なるべくわかりやすく解説していきたいと思います。
【前提】SEOは3つの指標を高めることが大事
SEOの目的を「コンバージョン数を増やす」に置いた際、SEOの成果は以下の3つの指標からなる数式で測ることができます。
①インプレッション
Webサイトが検索結果に表示された回数のことです。表示回数や露出回数と言い換えられます。
Webサイトのページが検索結果に登録され、検索ボリュームの多いキーワードで上位表示されたり、検索結果に表示されるキーワード数が増えたりすることでインプレッションは増えていきます。
まずはインプレッションを増やすことがSEOの目的となります。
②クリック率
検索結果に表示された回数(インプレッション)のうち、どれだけクリックを獲得できたかを表す指標です。
※クリック数/インプレッション
検索順位を上げたり、タイトルをユーザーにとって魅力的なものにしたりすることで、クリック率を高めることができます。
SEOでクリック率が注目されるケースは、その他の指標と比べて決して多くはないと思いますが、Web広告ではクリック率は非常に重要な指標とされており、SEOでも軽視はできません。
ただ、SEOでは広告と異なり、クリック率を直接コントロールする術が少ないことから、直接に追っていく指標とはならない印象があります。
③コンバージョン率
ユーザーがWebサイトに訪れた回数(≒クリック数)のうち、どれだけコンバージョンを獲得できたかを表す指標です。
※コンバージョン数/クリック数
ユーザーのモチベーションが高いキーワードで検索順位を上げたり、Webサイトにユーザーが求める情報を適切に入れたりすることでコンバージョン率は改善できます。
一方で、SEOの主な役割は「検索順位を上げ、アクセス数を増やすこと」であり、コンバージョン率を高める施策のことをSEOとは呼ばない印象があります。
(例えば、弊社ではコンバージョン改善やCROと呼んでいます)
ただ、SEOを「検索順位が上がってよかったね」という施策にしないためにも、コンバージョン率は改善していく必要があります。
「検索順位を上げる」「コンテンツを作る」など、SEOはその結果得られる事象や施策に焦点があたりがちですが、シンプルにとらえるならこちらの数式が最も良いと思います。
インプレッション(Imp) × クリック率(CTR) × コンバージョン率(CVR)
SEOで取り得る6つの施策の方向性
少し前置きが長くなりましたが、ここからはSEOを行っていく上で必要な施策を6つの目的に整理して解説していきます。
※今回は概略の説明が主旨であるため、細かい施策の説明は省いています。
1.SEOに適したWebサイトを設計する
SEOとは、Webサイトという入れ物に入ったページの検索順位を上げ、その結果としてアクセス数やコンバージョン数を増やすという施策です。
そのため、まずはWebサイトという入れ物をSEOに適した形で設計し、構築してあげる必要があります。
この段階で取り得る施策は、主に以下のとおりです。
SEOは情報設計が大事な施策なので、最も設計の思想を反映しやすい構築段階からSEOを意識しておくと、その後の施策実施がスムーズに回ります。
逆に設計段階でミスしていると、その後いくら頑張ってもSEOの成果が上がらないサイトができあがってしまいます。
例えば、全国の情報を網羅するようなツアーサイトや、いろいろなカテゴリの商品を取り扱うECサイトの場合、この設計が成果に直結します。設計を誤ってしまうと、改修に多くのコストがかかってしまうので、「SEOでしっかり集客したい」という場合は、事前の設計に細心の注意を払いましょう。
ブログやオウンドメディアのようなコンテンツを主体としたSEOであれば、多少設計が微妙であっても何とかできるかもしれませんが、しっかり設計しておくに越したことはありません。
2.検索ニーズを満たすページを作る
SEOに適したWebサイトが構築できたら、次に特定の検索ニーズを満たすページを作っていきましょう。
実際のSEOプロジェクトでは、「既にWebサイトはあるよ」というケースがほとんどだと思いますので、実際はここから始めることが多いはずです。
この段階で取り得る施策は、主に以下のとおりです。
SEOでは「検索意図を満たした記事を作りましょう」という方針が語られることが多いために、それが「記事コンテンツ」の形になっているケースが多いかと思います。
一方で、ポータルサイトの場合はその限りではなく、「商品カテゴリーページ」のようなページが上位表示に適していることもあり、狙うキーワードによって作るページの形は異なってきます。
また、実際に検索結果で評価され、順位が上がるかどうかはこの段階で作られたページの内容に大きく左右されるケースがほとんどです。
(正確にはその他の指標も影響しますが、ページの内容の影響度合いは非常に高いです)
検索順位を上げたいならページの内容にこだわる。これは鉄則です。
3.ページをGoogleにインデックスさせる
ページを作成したら、そのページをきちんとGoogleに認識してもらうことも非常に重要です。
GoogleのBotがWebサイトとページをクロールし、その内容がGoogleの検索結果に登録(インデックス)されることで、初めてページは検索結果に表示されます。
この段階で取り得る施策は、主に以下のとおりです。
昨今では、検索順位が上がらないばかりか、「そもそも検索結果に表示されない」というケースも増えてきており、Googleにインデックスしてもらうことの重要性が増してきています。
4.検索順位を上げる
ページがGoogleの検索結果に表示された後、初めて検索順位を上げるフェイズに移ります。
「検索順位は自然と上がるもの」という印象を持っている方も多いと思いますが、実際には「上げていかないと検索順位は上がらない」のが実情です。
この段階で取り得る施策は、主に以下のとおりです。
上の内容から派生した施策がいくつも存在するため、SEOはよく「総合格闘技」と呼ばれています。
した方が良いことはたくさんあれど、「自社にとってどの施策が最も効果的なのか、優先度が高いのか」を判断するのが難しいのが特徴です。
中には「タイトルは32文字以内にする」「ページの文字数は何文字以上にしないといけない」といった迷信のようなものもあり、どの施策を採用すべきか悩まれたことは少なくないと思います。
ただ、その悩みを乗り越えて実施すべき施策を実施すれば、検索順位は間違いなく上がっていきますので、ここが頑張りどころですね。
5.クリック率を上げる
検索順位を上げたら、次はできるだけクリック率を上げていく必要があります。
ここで取り得る施策はシンプルに以下の2つくらいだと思います。
クリック率の高低は検索順位に寄るところが大きいため、まずは1~3位を目指し、その中でよりクリック率を高めたい場合は、タイトルにこだわるくらいで良いと思います。
6.コンバージョン率を上げる
検索順位を上げ、クリック率を高める過程で、ある程度はコンバージョンが生まれていきます。
あとは得られたアクセスの中で、いかにコンバージョンを増やすかとなりますが、ここからはSEOというより、コンバージョン改善(CRO)の領域に入ってきます。
そのため、ここでは具体的な施策については割愛します。
1点、SEO観点で言えば、「検索順位が上がるほど、それに比例してコンバージョン率は高まる」傾向にあります。
1位から3位、3位から10位と順位が下がっていくことは、それだけ他のWebサイトを訪れる選択肢が増えるということです。
必然的に比較される対象が増えるため、コンバージョン率は低くなっていくことと思います。
クリック率もコンバージョン率も検索順位の向上によって、ある程度の水準まで高められることは覚えておいて良いかもしれません。
まとめ
日々何かしらのSEOの情報には触れられていることと思いますが、巷に溢れる情報は玉石混交です。
また、「どのようなWebサイトなのか?」「何を目的としたものなのか?」という前提を抜きにしてその情報に触れてしまうと、すべきことが無限に感じられてしまうこともあります。
しかしながら、以下の6つにSEO施策の目的は集約しますので、「どの施策が効果的なのか」と悩まれた際の判断基準として見ていただければと思います。
1.SEOに適したWebサイトを設計する
2.検索ニーズを満たすページを作る
3.ページをGoogleにインデックスさせる
4.検索順位を上げる
5.クリック率を上げる
6.コンバージョン率を上げる
また、アイオイクスではSEOを軸としてデジタルマーケティングの支援サービスを提供しております。成果を作っていくためのお力になれればと思いますので、ぜひご相談ください。
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