安藤裕(新党くにもり共同代表)「政府の赤字はみんなの黒字」(『維新と興亜』第13号、令和4年6月)
いまや自民党は売国政党だ
── 安藤さんは自民党と決別し、今回新党くにもりから参議院議員選挙に出馬します。
安藤 今回の選挙では、「保守とは国民生活を守ることだ」ということを強く訴えたいと思います。コロナ禍は一種の戦争です。本来はこうした事態になれば、政府が総力を挙げて国民の生命、生活を守らなければなりません。それが、本来の「保守」のあるべき姿です。しかし、自民党政権には国民の生活を守ることができませんでした。
コロナの影響で困窮している人たちに対して、きちんとお金を出すだけで問題は解決したのです。政府が真水で100兆円の財政出動を決断し、日本全国・全業種について「粗利補償」をすれば、国民は救済できました。ところが、自民党政権はそれをしなかった。国民を見捨てたということです。
現在の日本の最大の問題は、国民の貧困化です。だから、我々は貧困撲滅を掲げて選挙を戦います。貧困化すれば、自分の生活に精一杯になり、国のことや社会のことを考える余裕さえなくなります。「国がどうなろうが、知ったことではない」という考え方が蔓延しかねません。つまり、国民の貧困化を放置することは、国民が国を愛する力を奪い、国家を弱体化させることなのです。
しかも、日本企業が救済を受けず弱体化していけば、中国をはじめとする外資の餌食になります。つまり、コロナの影響を受けた企業を守ることは、安全保障の問題でもあるということです。自民党政権にはそれがわかっていないです。いまや、中国企業は日本の中小企業や不動産を買いたい放題。しかも、岸田首相は投資家に向けて「Invest in Kishida(岸田に投資を)」などと呑気に語っているのです。まさに「売国」ですよ。もはや自民党は保守政党ではないということです。
新党くにもりは、「国を護り、民を護り、国民を保守する」政党です。国民が互いに助け合い、守り合う、温かな「日本人の心」を大切にする政治を目指します。
「財政危機論」の嘘を暴け!
── 岸田政権が6月7日に閣議決定した「骨太方針2022」では、プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の目標年限が削除されました。
安藤 今回も財務省は、「プライマリーバランス黒字化」目標を「骨太方針」に盛り込むべく、自民党議員の説得に奔走していたと伝えられています。いまこそ、財務省が説いてきた「財政危機論」の嘘を暴かなければなりません。そのために、我々は財政赤字の意味について、国民に訴えかけています。「政府の赤字はみんなの黒字」と。
そして、我々は財務省解体を主張しています。予算編成権を財務省から取り上げるのです。そのために、経済企画庁のような役所をもう一度作り、予算編成もそこでやるようすればいいと考えています。
── 維新の会についてはどう見ていますか。
安藤 点数をつければ、維新は0点です。緊縮財政を主張する維新の政策では、国民がますます貧困化するのは確実でしょう。しかも、維新が主張している道州制の導入は、日本の解体を目論むものだと思います。彼らを「保守」に分類するのは間違っています。
── 新党くにもりは、「日本を主語とした政治を行う」と唱えています。
安藤 それは、日本古来よりの伝統と文化を尊重し、皇室を敬う国民こそが日本の宝として尊重される家族のような国を目指すということです。そして、日本人が誇りを持って生きていける国を取り戻すということです。そのためには、戦後植え付けられた自虐史観から脱却しなければなりません。また、学校教育できちんと日本の神話を教えるべきだと思います。
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