海のまち
皆さんのお住まいの場所では、○○の今季初水揚げ!なんてニュースは流れますか。
ここ宮城県石巻は年がら年中、初水揚げや初出荷だらけ。水産担当の記者は、たいがいが若手。この前も社内でこんなやり取りがあった。
「あしたは水揚げか? ネクタイなんかしていくな。話を聞いてもらえねえぞ。」
魚市場の取材に向かう若手記者が先輩からアドバイスを受けていた。
実際はそんなことはないのだが、記者はどこに行ってもよそ者だ。現場に入らせていただいて、仕事中の人たちに、ぶしつけにも質問しまくるという変な商売だ。実際、魚市場の取材ではビュンビュンとフォークリフトが走る中で、カメラとメモを持ってウロウロする。邪魔以外、なにものではない。
ネクタイ革靴の若者がボケっと立っていたら、はんぱない場違い感。先に立ってアドバイスをしたくなる気持ちもわからなくはない。
閑話休題
というお決まりが新聞社にあるのが海のまちだと思うのだが、自分は海のまちでも、より海沿いの育ち。自分が若手のころ、故郷のご高齢の漁業者が全国規模の表彰を受けるということで取材に出かけた。
会場に着くと、表彰をする人たちは、もちろんご立派な方々、そして取材をする他社の人たちもピッタリスーツの洗練された方々だった。
一通りの表彰式を終え、いざ表彰された漁業者のインタビュー。おおよそこのような感じ。
幹事社の記者「今のお気持ちを一言で」
漁業者「ちんなはがじぇとりしけでやめでけさになったんだ。まにあわねどおもったからいがった。」
幹事社の記者「……」
そこからは言葉がわかる自分の独壇場。ほぼ独占インタビューになっている状況が面白かった。印象に残っている取材だ。
ちなみに漁業者の話は「昨日のウニ漁は、波が荒く中止となった。それが今朝にずれ込んだため、表彰式に間に合わないと焦ったが、(間に合って)良かった」という意味。
とりとめがなくなったので、最後は石巻の隣の女川グルメ。地元人でもうまいです。
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