女性が選んだ写真、男性が選んだ写真
まず、これまで出版界、それもスポーツという男性スタッフが大多数を占める世界で働いてきた中で、いつも感じていたのが
「女性が選んだ写真と男性が選んだ写真は違う」
ということでした。
とあるチームのコンテンツを作るお仕事で、男性カメラマンが自信を持ってお勧めしてくるのが「えっ? なんでこの表情?」という写真だった経験も多く、その視点の違いを常々、不思議に思っていました。
もちろんカメラマンさんには落ち度はありません。熱心に撮影し、しっかりと選んでくれた結果、そういう「感覚の違い」が生じてしまうのです。
選んだ理由を聞いてみると「動きがあっていいと思った」とか「陰影がしっかりついていていいと思った」とのこと。
「うん、確かに。でも白目むいてますよ」
「うん、確かに。でもこの角度だと鼻の穴丸見えですよ」
そんな経験をして気づいたのは男性編集者(カメラマン含む)は「動きのある写真」「その選手の特徴(フォームなど)をとらえた写真」「写真自体が芸術作品として完成している写真」に着目するのに対し、女性編集者のほとんどは「選手の表情」に注目しているのではないか、ということでした。
女性向けのフライヤーやグラビア誌の写真選考は、女性的視点のある編集者が行うべきだなと強く思っています。