もしも謎解き会社の企画営業担当がドラッカーの『マネジメント』を読んだら 1
こんにちは!維新エンターテインメントで企画営業をしているドラゴンです。
実は弊社では、毎週木曜日に社員が集まって「ブレインストーミング」を行っております。「勉強や部活は本番前に練習するのに、仕事は常に本番なのはおかしい!」
という社長の考えから始まったこの企画。
実は外部の方にもかなり役立つ内容・手法なんじゃないかということで、こちらでも共有していくことにいたしました!
今回のテーマは映画「もしドラ」で有名な、「ドラッカーのマネジメント」です。
名前は聞いたことはあるけど、中身は知らない…という方も多いのでは?
かなり重要かつ大量の情報が詰め込まれた本ですので、何度かに分けて紹介していきます!
まず本日は、「企業とは、事業とは、戦略とは何か」についてです!
(0はブレストについての説明ですので、以前読まれた方は飛ばしてください!)
0.ブレインストーミングとは?(本文は次のセクションから始まります)
そもそもブレインストーミング(長いので、以下ではブレストと省略させてください)とは何か、ということについて初めに説明しておきます。
ブレストとは、自由に意見を出し合うことで、新たな発想を生み出したり、アイデアを昇華させたりする会議手法です。ワークショップなんかでよくやる、付箋紙にアイデアを書いて、模造紙に種類ごとまとめていく手法なんかはまさにそれですね。
弊社でブレストを行う際は、
1.社長が選んできた本や記事のまとめについて話す
2.聞いた内容を抽象化する(それってつまりこういうことだよね)
3.抽象化した内容を踏まえてアイデアを出す(うちならこんなことができそうだよね)
4.抽象化とアイデアについて発表し、共有する
5.グループを分けて、少人数でアイデアをさらに深堀りする
6.グループの意見をまとめて発表
こんな流れで実施しています。
これを毎週繰り返すことで、ニュースやネットで見た記事に対しても、「それを使ってこんなことができるんじゃないか」という風に考えたり、社会のニーズをくみ取ったりする力を養うことができるというわけです。
そんな時間なんて取れないよと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれは練習としてだけでなく、実際に企画としてスタートすることも珍しくありません。
私も入社当時はかなり驚きましたが、皆がリラックスしてアイデアを出し合うことができるこの時間に、素敵なアイデアが浮かぶことも多いのです。
1.企業とは何か
皆様は、企業の定義について考えたことはあるでしょうか。この本では、企業とは、「顧客を創造すること」と定義されています。需要に対してそれを満たす手段を供給するのが企業、というわけですね。
さらに企業は、2つだけの基本的な機能から成ると言われています。
マーケティング
まず一つ目の機能は「マーケティング」です。
上で述べたように、企業とは需要を満たす手段を提供するために存在しているため、「自分たちが何を売りたいか」ではなく、「顧客が何を求めているのか」を常に意識しなくてはなりません。
また、マーケティングを極め、顧客とサービスのマッチングが十分に行われると、販売が不要になる、つまり「顧客が勝手に買ってくれる」ようになります。
これがマーケティングのゴールと言えるでしょう。
イノベーション
二つ目の機能は「イノベーション」です。
イノベーションとは、すなわち新しい満足を生み出すことです。
砕けて言えば、今自分が持っているもので、もっと大きな利益を上げることを指します。野菜を売ってお金を稼ぐ、サービスの対価にお金を稼ぐ、この世の商売は全てイノベーションのもとに成り立っているということですね。
2.事業とは何か
事業とは…というのは、残念ながら一概には言えないものです。
どの企業も、「自分たちの事業とは何なのか」を考え続けなければなりません。
成功している企業は、その答えを考え続けて、明らかにすることで、皆の進むべき道のりを示し、チーム全体で同じ方向に進むことができるようにしているのです。
また、事業とは当然、企業の根幹となるものですので、それを考える際も「顧客」が中心となるのは言うまでもありません。
したがって、自社にとっての「顧客が誰なのか」を考えることが、企業の使命を定義する上では最も重要な問いとなります。
では、自分たちの事業について、特に真剣に考えるべきなのはいつなのでしょうか。
当然、常に考えるのが最も良いのですが、特に必要なのは、「成功しているとき」です。
失敗した原因を探るときは、答えになるかもしれない次の仮説を立て続けないといけませんが、成功した時は答えがわかっています。
最初は意外に思われるかもしれませんが、成功しているときとに「なんで成功したのか」「顧客が欲しがっていたのが何だったのか」を改めて考えるべきだ、と言われれば腑に落ちるのではないでしょうか。
事業の目標
事業とは何かを考えたら、次はそれを具体的に数値化して目標にする必要があります。
目標設定に置いても、中心となってくるのはやはり「マーケティング」と「イノベーション」の2つです。顧客が対価を支払うのはこの2つにおける成果と貢献に対してなので、当然といえば当然ですね。
マーケティングの目標
マーケティングで目標となるべき項目は、複数存在しています。
1.既存の製品についての目標
2.既存の製品の廃棄についての目標
3.既存の市場における新製品についての目標
4.新市場についての目標
5.流通チャネルについての目標
6.アフターサービスについての目標
7.信用供与についての目標
どうやって売り上げを上げていくのか、という大きなゴールも、このように「どう売るのか」「どれくらい売るのか」「どこを開拓するのか」等々、細かく分けていくと少し具体的な目標設定ができそうな気がしてきますね。
独占はするな
上記の目標のうち、市場について少しお話をしましょう。
今自分たちがいる市場(弊社なら「謎解き市場」ですね)が、どれくらいの大きさで、その市場の中で自社が占める割合(市場シェア)がどれくらいあるのか、というのは、企業にとって非常に重要な問題です。
市場シェアはもちろん大きいほうがいいですが、逆に大きいことで、自己満足してしまったり、変化が生まれなくなったりするといった危険性も発生します。市場シェアトップの企業が成長しなくなれば、当然その市場はどんどん小さくなっていくでしょう。
市場シェア80%!といえば聞こえはいいかもしれませんが、100という大きさの市場における80%は、250という大きさの市場における50%よりも小さいのです。
ここまでくれば、市場を独占してしまうことの恐ろしさももうお分かりですね。適度に競合他社を作り、それぞれの企業がマーケティング、イノベーションに取り組むことで、市場が大きくなり、結果として自社の利益にもつながってくるのです。
(ゲーム業界で言うと、任天堂なんかがわかりやすい例かもしれないですね)
イノベーションの目標
マーケティングの目標に複数の項目があったように、イノベーションにも複数の項目が存在します。
1.製品とサービスにおけるイノベーション
2.市場におけるイノベーションと消費者の行動や価値観におけるイノベーション
3.製品を市場へ持って行くまでの間におけるイノベーション
マーケティングよりは項目が少なくて安心ですね。
顧客がなにに困っているのか、よりスムーズに購買させるには?など、今自分が考えている企画がこのうちのどれに該当するのか、を意識するだけでも、より軸が強固なものになって、いい企画を作ることができるようになりそうな気がしてきますよね。
その他重要な目標
マーケティングとイノベーションという2つの柱における目標についてお話ししてきましたが、もちろんこれ以外にも重要な要素はあります。
例えば、経営資源。
経済活動をするために必須な経営資源は、
1.物的資源(土地など)
2.人的資源(労働者)
3.資金(資本)
以上の3つの資源で構成されています。
特に、良質な人材と資金なしには、企業は永続できません。産業全体で見ても、その衰退の最初の兆候は、有能でやる気のある人間がいなくなることだと言われています。
続いては生産性です。
上で述べた経営資源はもちろん限りがありますので、あとは「それをどのように活用するのか」が重要なのは言うまでもありません。市場の中で数々の企業が競い合う中、企業に差をつけるのはこの生産性すなわち、経営資源の活用の程度とその成果とのコストパフォーマンスです。生産性の向上こそ、マネジメントにとって重要な仕事の一つなのです。
3.戦略計画とは何か
経済活動の本質とは、リスクを冒すこと、つまり「チャレンジすること」にあります。
そのうえで、戦略計画というのは、
1.リスクを伴う起業家的な意思決定を行い
2.その実行に必要な活動を体系的に組織し
3.それらの活動の成果を期待したものと比較測定するという連続したプロセス
のことを指します。
要はPDCAサイクルのことですね。
仮説を立てて準備して、トライアンドエラーを繰り返しなさいよということです。
さらに言うと、これをするうえで重要なのが、あらゆる種類の活動、製品、工程、市場について、「もし今日これを行っていなかったとしても、改めて行おうとするか」を問う必要があるということです。
そうでないならば、それは本当に必要なことではないということになります。その場合は、「いかにして1日でも早く止めるか」「何をいつ行うか」を追加で考えなければなりません。
4.まとめ
だいぶ教科書的な固い話にはなってしまいましたが、本日お伝えした内容はとにかく、
1.自社の現状を整理したうえで
2.顧客のニーズを徹底的に調査し
3.ニーズを踏まえて項目ごとに細かくゴール(仮説)を設定して
4.トライアンドエラーを繰り返す
5.さらに必要に応じて段取りを最適化する
これに尽きるのではないかなと思います。
なかなかチャレンジの体制を整えることも難しいのではないかと思いますが、成功している企業はみな、とにかく数々の失敗を積み重ねて成功をつかみ取っています。
まずは予算のあまりかからない形で、仮説を検証することから始めてみるのがいいかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。
本日はドラッカーのマネジメントのうち、「企業とは、事業とは、戦略とは何か」をご紹介しました。
教科書的な内容で、読むのもかなり疲れてしまうかもしれませんが、これでもかなり砕いて書いているつもりです…この記事を書きながら、僕もまた理解を深めることができるので、一石二鳥ですね。日本語って難しい。
弊社の立場で言えば、謎解きの市場はまだまだ小さいですので、顧客の隠れたニーズを拾うべく、日々アンテナを高くして過ごしていきたいと思います!
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