【参院選2022】日本維新の会・中盤情勢
参院選も折り返し地点となった。
今回の選挙では、自民・公明与党に反する勢力、すなわち野党がどれだけ議席数で与党に迫ることが出来るのか。また、野党内での立憲民主党と日本維新の会の力関係に変化が現れるのか。そして、れいわ新選組やNHK党、参政党などどいった新興勢力が議席を獲得することができるのか。これらが焦点に挙げられる。
史上最高の猛暑ともいえる中、選挙活動に励まれている候補者・陣営関係者の皆様に心より敬意を表する。
全体予測
自民党は、多くの1人区で戦いを優位に進める。当初不利とされていた福島・新潟・山梨・大分でも善戦し、当選の可能性が高くなっている。沖縄は少し不利だが、情勢次第では当選の可能性もある。複数区では北海道・東京・千葉・神奈川に2人ずつ擁立し、千葉・神奈川ではワンツーフィニッシュとなる可能性が高い。東京は当初、1議席が激戦ラインに位置しており、落選の可能性があったが、選挙期間中の調査では総じて安定しており、2議席を獲得する見通し。北海道は現職は確実、新人は立憲新人と当落上を争っている。
公明党は、一時期埼玉・兵庫・福岡などで当落上を争っており、落選の可能性があった。しかし、前述3選挙区での調査では、多くが次点と差があることから、当選に近いといっていいだろう。今回も全員が当選を果たし、現有議席を維持しそうだ。
立憲民主党は、1人区は東北の青森で戦いを有利に進めるが、岩手・長野では激戦ラインで少し抜け出している程度であり、情勢次第では落選の可能性がある。現職がいる新潟・山梨では自民に一歩後れを取っており、1人区での伸びは期待できそうにない。複数区では、北海道・東京・神奈川に2人ずつ擁立。唯一、北海道で2議席獲得の可能性があるが、選挙公示後自民2議席目が伸ばしてきており、今後の情勢に注目だ。東京では現職は確実だが、新人は大きく後れを取り1議席にとどまる見通し。神奈川では2人が当落ラインを争っており、1人は当選しそうだが、もう1人は厳しい。共産の集票次第では共倒れの可能性もあるなど、危機的だ。大阪など関西圏での議席獲得は厳しい。京都選挙区も維新と2議席目を争うが、現職落選の可能性がある。現職を推薦する沖縄も、自民の新人と激戦になっている。
日本維新の会は、公示前に予測されていたほどの伸びは期待できないが、改選議席倍増は堅い。現職が出馬する地盤の大阪(2人)・兵庫に加え、知名度がある元知事が出馬する神奈川は当選がほぼ確実、愛知では国民民主と当落線上を争っているが、戦いを有利に進める。京都は、当初議席獲得が有力視されていたが、無党派層への浸透が進んでいないことが課題。福岡・東京は当選ライン次点に位置している。福岡は公明と、東京はれいわとまだまだ差があるが、今後の情勢次第では巻返し可能だろう。埼玉・千葉は共産にも後れを取り厳しい。1人区では奈良・富山で次点に位置するが、自民と大差をつけられており当選は厳しい。
共産党は、選挙区は東京の1議席に留まりそうだ。その他、大阪や19年は当選者を出した京都・千葉・神奈川・埼玉では当落ラインを懸命に追う展開だが、いずれも当選は厳しそうだ。
国民民主党は、山形・愛知・静岡・大分で現職を擁立するが、山形・大分は自民の新人と激戦になっており、静岡は無所属の現職に、愛知は維新の新人に差をつけられ苦戦している。最悪の場合、選挙区1議席といった事態も考えられる。埼玉は元知事の現職を推薦。当選ラインを維新・共産と争う。埼玉・愛知以外の複数区は、独自で支援する東京の都民ファも含めて厳しい。
れいわ新選組は、複数区を中心に擁立する。東京では元職の党代表が当落ラインを争っているが、高い知名度を背景に戦いを有利に進める。その他の複数区では浮上できていない。
NHK党は、各選挙区に定数(またはそれに近い人数)と同じ人数の候補者を擁立しており、選挙区での当選は厳しい。比例票集めのための作戦か。
社民党は、複数区を中心に候補者を擁立したが、れいわにさえ水をあけられるなど、選挙区での議席獲得は絶望的だ。比例には党代表が立候補するが、1議席獲得すらも厳しい情勢であり、政党要件を失う可能性もある。
日本維新の会の情勢
ここから先は
¥ 140
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?