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はてしない石の物語#75~ほどよく個性を残したリング~

母から譲られたリング、最初にK先生に見ていただいた時、先生はちょっと可笑しそうな顔をして「この指輪の前の持ち主はまあまあ個性の強いおばさまだったね、なんだか勢いのある人だったみたいだ」と・・・これはアンティークのリングなのですが、「前の持ち主」というのは母ではなく最初の持ち主らしい。
 
そして「どうしたらいいかなあ。この個性は残した方がいいのかな、それとも浄化して石本来のエネルギーに戻した方がいいのかな」と考えていましたが、「うん、浄化しよう」と言ったので、ちょっと笑ってしまいました。その「おばさま」ちょっと個性が強すぎたのだろうなあ、と思って・・・水晶の上に1か月という提案をいただきました。
 
1か月経って「浄化はできたでしょうか?」とお聞きしたところ、最初「いや・・・」としばらく手に取って見つめているので「もう少し浄化が必要ですか?」と聞いたら「まだ少し前の人のエネルギー残っているけど、うん、これで大丈夫。このリング自体も意欲が出てきているので台座をピカピカにしてあげて。出歩くのが好きな人や、旅行好きな人がいいかも。人を呼んでくれるかもしれない」とのことでした。「そうか、ほどよく残った個性ならかえっていいのかもしれないな」と納得いく気がしました。
 
友人に台座を磨いてもらって、また次の機会に見ていただいたところ「これ、若い人の方がいいね。これから羽ばたこうとしている人の手伝いがしたいらしい。でも本人に成長意欲があることが条件。まだまだ自分はこんなものじゃない、と思っているくらいの人がいい」とのことでした。その言葉を聞いて、きっと石そのものの意志と、最初の持ち主の「おばさま」のエネルギーが相まってのことなのだろう、と感じました。「まだまだ自分はこんなものじゃない」という表現に「おばさま」を感じます。そしてなんだかやっぱり可笑しい気持ちになるのです。目の前に「おばさま」が見えるようで・・・
 
浄化してもなお残る個性、というのが面白い(浄化前は石の個性さえも上回る勢いだったのではないかしら)。そして「ほどよくなった個性」はようやく石との相性が良くなって次の持ち主のために役立てるものとなった、というのもなかなか示唆に富んでいます。
 
石の世界、そして人の世界、どちらも奥深く面白いですね。目の前に繰り広げられる物語、いつもページをめくるのが楽しみでしかたありません。この「ほどよく個性を残したリング」、まだ行先は決まっていませんが、決まるまではお出かけの時などに私も楽しませていただこうと思います。「おばさま」、どうぞよろしくお願いします!
 

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