グラマンTBFアヴェンジャー(1940)
旧アメリカ海軍機の機種記号で、TBは雷撃・爆撃機 (Torpedo Bomber)を意味し、Fはグラマン社のメーカー記号である。TBFというのは、グラマン社の雷撃・爆撃機ということである。ジェネラル・モーターズ(メーカー記号M)で生産されたとき、TBMとなった。ちなみに、アヴェンジャー(復讐者)は1941年12月にTBFのお披露目をしたとき、真珠湾攻撃があり、この呼称がついたという。その名の示すように、アヴェンジャーに沈められた日本海軍艦艇は数知れない。浮沈艦と言われた戦艦『大和』や戦艦『武蔵』もアヴェンジャーに沈められることになった。
グラマン社らしいとにかく頑丈で無骨で、急降下や無理な運動にもびくともせず「頑丈なトラック」とまで言われた。ぶっとい胴体は二重構造になっていて上部には三名の搭乗員の乗員席、下部は爆弾倉になっていた。翼内の2挺の12.7mm機銃と後部の旋回砲塔の12,7mm機銃、後下部の7,7mm機銃で全方位をカバーできた。特大の燃料タンクがあり、1000マイル(1600km)を超える長距離の航続性能があった。
太平洋戦争開戦時の制式雷撃機はダグラスTBDデヴァステイターで、零戦に比して速度も防御力も航続距離もすべて劣っていたため餌食になっていた。しかし、ミッドウェイ海戦後にアヴェンジャーが徐々に前線に配置され、制空権を失った日本軍を相手に圧倒していく。また、大西洋戦線でも活躍し、潜水艦キラーと呼ばれた。後継機がなかなか整わなかったため、鈍重と言われたTBFは太平洋戦争後も使われていた。日本でも海上自衛隊に供与され1961年まで使われた。
グラマン社では2300機、ジェネラル・モーターズ社では7000機を生産した。生産性を考慮したグラマン社の飛行機は、戦時に適した軍用機だった。
TBF/TBM
全長 16.50m
全幅 12.20m
全備重量 6,199kg
発動機 ライト R-2600-8 空冷星型14気筒 1,700hp
最高速度 436km/h
航続距離 1,370km
武装 7.62mm機銃×1 12.7mm機銃×3 900kg爆弾×1
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