上越立ち止まりスポット35(中郷区岡沢民俗資料館)
上越市は合併前の13区にそれぞれ残されていた民俗資料を中郷区の元岡沢小学校に収納している。岡沢小学校の校舎は建築七年目で閉校となったためまだ使用感の少ないきれいな校舎である。その校舎内に所狭しと置かれた貴重な資料は膨大な量である。今年から年に一度市民に開放するということで行ってきた。場所は分かりにくいが、そばの一郷庵の近く、農民研修センターの方に向かって進むと学校跡が見えてくる。普段は開放していない。
ヅボン!
手回し計算機!
消防ポンプ!
藁で編んだ背負子!
樫の木の背負子、これだけでも重い!
閉校した小猿屋小学校に残されていたプロペラ。
このプロペラには、海軍の錨マークの下に13二号艦攻と書いてある。
三菱航空機の13式2号艦上攻撃機のプロペラだ。
大正12年初飛行で上海事変などで活躍した。
初代赤城や加賀などの空母に搭載された複葉機だ。
2号というのは、それまでのエンジン、イギリス製のネピアライオンからスペイン製のイスパノスイザに換装されたからだ。
ヒ式450という文字もある。ヒスパノスイザ450馬力の略だろう。Hを入れて発音していたのでヒスパノと書いている。
プロペラはおそらくヤマハ製。
日中戦争の頃から個人あるいは団体で飛行機製造資金のための献金がさかんに行われた。
募金箱が置かれたり、献金帳が回ったりしたそうだ。
昭和19年までにおよそ6000機近くの海軍機が作られたようである。
それらは報国号とか愛国号とか名付けられ、絵葉書が作られたり古くなったプロペラが返礼されたりした。
当時人気のあった山本五十六の書が入ったプロペラも多く返礼されたようである。
ふもとと書かれている人力車風雪ゾリ。直江津にあった麓病院の往診用のものだろう。
縄編み機!
柱時計!
脱穀機!
展示説明などはついていないが、その数に圧倒される。まずは、これだけのものを残していることだけでも素晴らしい。
このまま維持保管し続けてほしい。