上越立ち止まりスポット6(高田城址公園〜南城3)
高田城址公園の南端、上越歴史博物館の後ろ側に室孝二郎の石碑がある。
室孝二郎は天保10年(1839)に高田で生まれ、維新の志士として勤王運動にかかわり、維新後民政に尽くした。地租改正事業や高田病院創立に関わり、弥彦神社宮司、旧制高田中学校長、西頸城郡長を経て第1期衆議院議員になる。大隈内閣で愛知県知事に任ぜられ、65歳で歿した。
この顕彰碑のさらに奥にロータリークラブで設置した小さな広場がある。その中に堀口大学記念碑がある。
堀口大学はフランス文学の翻訳者で詩人としても有名である。若き頃は語学力にすぐれ外交官を目指すほどの実力があったが結核で断念したという。パリに渡り、サロン芸術の華やかし頃を実際に体験し、帰国してから詩人、翻訳者となった。「夜間飛行」「南方郵便機」「人間の大地」などサン・テグジュペリの作品を翻訳したことでも知られている。
堀口大学氏の生まれは新潟県長岡市であるが、戦中戦後に上越市高田に疎開し、居をかまえた。先年(2019)、当時の住居跡に碑が建てられた。地域のニュースで知っていたので探したがなかなか情報がない。
今回、高田城址公園から陸上自衛隊、高田高校を通って歩いていたがなかなか見つからず帰りがけに思いがけないところで発見した。住居跡というから住宅地の中ばかりを想像していたが、旧国道後の大きな通りに面したところにあった。しかも私が高田高校に通っていた頃に、道すがら素敵なフランス窓のあるお屋敷だなあと思っていたお宅であった。他の家とはちょっとちがうおしゃれな雰囲気の家で、秋になると金木犀の香りが漂っていた。
最近、このnoteでサン・テグジュペリの作品についてマガジン記事を書いていたので堀口大学つながりで歩いてみた。今日は雨が降りそうな天気だった。