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要介護の母に声を荒げ、後悔……の日々

ついつい声を荒げてしまい、後から悔やみます。
まさに「後悔」……の連続。
 
母のテーブルの前に、おかずを並べて、
どれを食べたいかをたずね、
その場で、ご飯だけ盛り付けてきた皿に飾りつけしていきます。
といっても、母が選ぶ朝食は、たいてい決まっているけれど。
 
昨日の場合でいえば、
ハム、キャベツ(マヨネーズをかけて醤油をたらします)、大根とニンジンのなます、ショウガの梅干醤油漬け、ワサビ漬け、焼き海苔、納豆。
 
「あんた食べへんのかね?」
 母は食べ始めてから、僕が食べていないことに気づき、つぶやき、
「今日、バリウム飲む検査があるから」
 と答え、
「ふ~ん」
 さほど興味もなさそうにうなずき、流れているテレビに目を向け、「あさイチ」の華丸大吉のコメントを聞き、笑っています。
 
僕は隣の小さなテーブルで、母の様子を横目で見ながら、
スマホを見ながらメッセージのやりとりをして、
食事が終わりそうになると台所へ柿とヨーグルトを取りに行きます。
 
台所から戻ってくると
「ありがとう。あれ?あんた食べへんのかね?」
 と母は同じ質問を繰り返しました。
認知症かもと思うのですが(未だ精密検査をしていないので、そうかもしれません)、こういったことは僕にも心当たりがあるんだよなぁ。
 
「さっきも同じ質問したよ。興味がないんだったら聞かない!」
 ため息まじりにパートナーから言われることが時折、あります。
 
「人は好きなんだろうけれど、他人に興味ないよね」
 知人友人から、そう言われたこともありました。
一見、矛盾に思えるけど、腑に落ちるんですよね。
他人との距離感としては、ちょうどいいけれど、親しい人からすると腹が立つらしい。
母を前にして、「なるほど。僕に腹が立つのはこういうことか」と納得したのです。
しかし、未熟な僕は、昨日も、
「同じこと何度も聞かんといて!」
 と、ついつい声を荒げてしまいました。

こうして、食後に前日、録画した「うたコン」を観ながら、懐メロをご機嫌に歌う母の後ろで手を合わせて謝りながら写真を撮り、
その罰があたったのか、
僕は検査日を間違えていたわけで……とほほ。

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