見出し画像

千円札を血眼で追いかけた青年の目的

昨日、以前から気になっていた近所の鍼灸院に向かっていた時、風に舞うなにかの紙を必死に追いかける青年を見かけた。よく見ると、それは千円札だった。

風に舞っては道端に落ちる千円札は、血眼で追いかける青年と遊ぶかの如く、青年が手を伸ばして拾おうとするたびに3度4度とまた風に舞った。
5度目ぐらいでようやく千円札に手が届いた青年。財布に収めるのかと思ったら―――

走ってきた方に戻り、20mぐらい先にいたご老人に手渡した。そう、千円札は彼のものではなくそのご老人のもので、彼はご老人のために血眼になっていたのだ。お孫さんなのかなとも思ったけど、二人は笑顔で軽く会釈すると、全く別の方向に歩いて行った。

その青年は、、、なんていうのかな。いわゆる、”スマート”に生きてきたタイプではなさそうで、”一生懸命””泥臭く”生きてきたんだろうなっていう、そんな素敵な雰囲気が見て取れた。

”朝から素敵な人を見かけたな―――”

そう思って、僕は鍼灸院に向かった。そうしたら、そこでもまた素敵な人に出会って―――

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?