『地下街の雨』(宮部みゆき)ブックレビュー

来ましたよ、この期に及んで動画作成もせずに読んじゃいました、宮部みゆきさん笑先日は妻の母にすすめられた林真理子さんの本を読んだけど、今回は妻。小説慣れしていない僕に、無論面白くてかつ短編小説集だから読みやすいよ、と勧めてくれた。さすがだな。
以下の構成となっている。
①地下街の雨
②決して見えない
③不文律
④混線
⑤勝ち逃げ
⑥ムクロバラ
⑦さよなら、キリハラさん

 個人的には①と⑤が好きだったな。
色々レビューとか「ここが伏線だったのね!」とか書きたいけど、そっくりそのままネタバレになっちゃうから①だけ書きます。

地下街の雨

・あらすぎを読んでから読み始めると、初見では「あの女」が元婚約者を奪った女とミスリードさせる仕掛けとなっている(P6)
・名前を知る前後で関係性がガラッと変わる見事な描写。「お会計をお願い、『ウエイトレスさん』」(P32)
・流れてくる音楽がストーリー全体を表現している(P34)
・ページの繰り際にこのセリフを持ってくるのがお見事(P46)
・森井さん夫婦は麻子をやさしく見守る。麻子は振り向かない。麻子の自立と幸せに向かって力強く進む描写となっている(P49)

 小説のレビューは難しいな、やっぱり苦笑
あと『ムクロバラ』の解釈が難しかった。

 小説は2回読むべしだよね。初見では、真っ白な状態で読み進めてだんだん内容がつかめてきて視界が明るくなっていく感じが楽しい。んで2回目は当然内容が分かっているわけだから、作者が仕掛けた伏線とかも味わえる。こう考えると小説家って、単に面白い物語を考えて文章で伝えていくっていう作業だけでなく、読み手の理解度とか心理とかを想像して手のひらで操る作業もしているんだよなぁ。。。マジですげぇ。

はい、というわけで今年の読書は一旦区切りかな。明日からは、10月に控えている各種イベントに向けた準備とか、動画制作に向けた素材整理に入らなくては。いよいよ今年も終盤戦だね。楽しんでいきましょう。

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