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『GIVE&TAKE』(アダム・グラント)ブックレビュー。
今年初のブックレビューですな、今年も月に1冊程度、『2回読んでnoteにアウトプット』することで自分自身に落とし込むような読書をしていきたいものです。
一発目は『GIVE&TAKE』ですよ。著者のアダム・グラントさんは本の中で、人間を『テイカー(与えるより多くを受け取ろうとする人)』『ギバー(受け取るより多くを与えようとする人)』『マッチャー(受け取る・与えるのバランスをとる)』の3分割しているんだけども、主旨としては『ギバーが“正しい与え方”をしたとき、もっとも大きな成功を得る』という強いメッセージが送られ、最終的には
『私たちが、ほんの少しでもギバーになったら、もっと大きな成功や、豊かな人生や、鮮やかな時間が手に入るだろうか―――。それは、やってみるだけの価値はある』(P382)
と締められる。
ちなみに大前提として、僕は、、、残念ながら『マッチャー』かな。正確には、“自分を『ギバー』だと思い込みたい、『ギバー』に憧れている『マッチャー』”(苦笑)人の幸せは素直に嬉しく思えるんだけど、やっぱり心のどこかで“僕こんなにいい子なんだから誰か僕を褒めてくれよ”と思っちゃってるイタいところがある、みたいなさw
なかなか痺れる本でしたよ、レビューいってみましょう。
第1章:あなたは、まだ「ギブ&テイク」で人生を決めているのか
・ギバーはバカなお人好しなだけでなく、最高の勝利者にもなれる(P32)
・世の中はゼロサムゲーム(一方の得で他方が損をする)ではなくギバーも見返りを最終的には得る。
・「ギバーであることは100m走では役に立たないがマラソンでは大いに役立つ」(by起業家・チップコンリー)(P45)
・12か国全てが、富や権力よりも「与えること」を実は気にかけていることが調査で判明(P52)
→チップコンリーってだれぇ~って最初思ったけど、『ジョワ・ド・ビーブル・ホテル』っていうのを創業した著名な起業家とのことです。コンリー、いいこと言うなぁ。
第2章:「名刺ファイル」と「フェイスブック」を見直せ
・人脈について、ギバーはそのネットワークを通じ遥かに長続きする価値を作れる。人を助け始めると評判が高まり、可能性の世界が広がるため(P68)
・テイカーの特徴:一人称で話をする、多くの報酬を得る、資料で自身の大判の写真を使う(P77)
・ギバーは広範囲に親切にするので、結果として利益がもたらされる可能性が高くなる(P89)
・思いやりを持って質問をし、話を聞き、できる親切を行なうこと(P96)。たとえ薄いつながりで休眠状態となった人とも互いに信頼が残っているため、再び繋がった(リコネクト)際に多くの得が得られる(P99)
→うん、『人脈』って言葉、なんかいやらしくて好きになれないのよねw
ギバーが分け隔てなく、相手を選ばずに与えるから結果的に(大小が別として)恩返しをしてもらえることが多くなる、みたいなのは全くその通りだと思う。人格者って、結局みんなに支えてもらう環境になりやすいよね。
第3章:チームの総力を生かせる人
・一見個人の力が大きい仕事も、成功するか否かは他の人々の協力にかかっている(P125)
・ギバーは頼りあうことは強さの源であり、スキルをより多くの利益のために活用する手段と捉える(P130)
・責任バイアス(自身の責任貢献度合いを過大評価する傾向)は、自分のものの見方を相手の視点に会わせることで防げる(P150)
→責任バイアスって言葉、あんまり聞きなじみがなかったけどめちゃめちゃ共感するわw僕自身結構責任バイアスあるからなぁ~身に沁みます、、、相手を慮ることで、エゴから脱却できるということだね。
第4章:荒野で“ダイヤモンド”を見つける方法
・「自己成就予言」(他人から期待されると、それに沿った行動をとって期待通りの結果を残すこと)が働く(P166)。
┗ギバーはすべての人の中に可能性を見出そうとするため、成長させる(P170)
・才能を伸ばすきっかけになるのは「やる気」であり、そのやる気をギバーは育てる(P174)。
┗ギバーは根気(粘り強さ)に目をつける(P177)。また、根気そのものを植え付ける努力をする(P177)
・埋没費用(過去に行った時間や費用の投資)やエゴにより、立場固定(最初の決断を正当化して変えない)をする人が多いが、ギバーは周囲を守ることを優先するため、失敗を認め柔軟に意思決定する。(P190)
→ギバーってこう見ると凄いよね。根気を植え付けやる気を育て、結果才能を伸ばさせる。そしてギバーは失敗を素直に認めることもできると。ギバーになりてぇ~~~~。
第5章:「パワーレス」の時代がはじまった
・成功とは影響力。影響を与えるアプローチは優位性と信望。信望はゼロサムではなく無限に続く価値(P212)
・プラットフォール効果=達人が何かヘマをする(弱みを見せる)と好感度が上がる(P218)
・ギバーはエゴを守ることに拘らないので、アドバイスや助けを素直に求められる(P244)
→影響力を与えるアプローチ方法は権力や立場の優位性だけでなく信望と。絶対に後者がいいよね。
第6章:「与える人」が気をつけなければならないこと
・「人間には2つの大きな力―――利己心・他人を思いやる心―――がある」byビル・ゲイツ(P254)
・「他者志向」(⇔自己犠牲)とは受け取るより多くを与えても、自分の利益は見失わずそれを指針にいつ・どこで・どのように・誰に影響を与えるかを決めること(P255)
・与えた結果が確認できるような機会を持つことが重要(P267)
・百時間ルール(≒年間で「与える」時間のMAX)で大きなパワーを得られる(P272)
・ギバーであっても燃え尽きそうになったら他者へ助けを求めること(P277)
・倫理的満足感(助ける相手を自分で選ぶことで幸福度が上がる)を意識すべし(P287)
→要は“正しく与える”ことをまとめたこの章、響いた。表面的な判断で自分を削りながら与えるのではなく、全体を幸せにする方法として、時間や方法を定めると。うん、納得。
第7章:気づかいが報われる人、人に利用されるだけの人
・世界中の一人ひとりに時間はさけない→計画的に人助けをするべし(P300)
・相手の心ではなく、頭の中(=考え方。何を利益と考えているのか)に注目せよ(P306)
・テイカーに対しては『寛大なしっぺ返し』(よい行いは決して忘れず、悪い行いを時々大目に見る)をし、3回に2回は張り合う(競争的態度には競争的態度で応じる)が1回は協力的に応対する(P308)
・関係説明(自身だけでなく、他者の利益も思いやった要求だと伝えること)を行なうことで、ギバーとしての自己イメージを損なわずに自身の損害から身を守れる(P319)
・他者志向のギバーこそ成功する。自分の利益だけでなく相手の利益にも高い関心を示せるため(P326)
→“計画的に人助け”って言葉、捉え方に要注意だよね。テイカーとギバーでは捉え方が全く異なるから(苦笑)
『寛大なしっぺ返し』、これもよかったわ~~~!全員に均等に親切にするのではなく、誠実さをもって親切にする方法を変える、みたいなさ。
第8章:人を動かし、夢をかなえる「ギブの輪」
・人助けをする理由:困っている人を自分に同化させることで、実際には自分自身を助けているから(P340)
・人には“同化したい”という欲求と、“異化したい”という欲求があり、特異な共通性を持つ相手に引き付けられ、絆を感じ助けたくなる(P354)
・与えることを人目にさらすことで、テイカーも人助けする(P366)
・人々の行動を変えれば、信念も後からついてくる。自身の選択によって人に与えることを続けていると、与えることを自分の一部として内面化する(P370)
→本筋とは違うかもだけど、同化・異化の部分、とても思い当たる節がある。稚拙な例だけど僕の場合、『プロレス・格闘技が好き(=異化)なファン同士の集まり(=同化)ってめちゃめちゃテンション上がる』、みたいなのもこれだよね。
んでテイカーも環境を整えてさえあげればギバーとして振舞うようにできるし、そうした行動をとらせれば信念も変わるからギバーにもなりうる、みたいなことが言いたいのかな。ってことはやっぱり、『テイカーもギバーになれる可能性がある』みたいなことだよね、これ!?
第9章:「成功への道」を切り拓く人たち
・ギバーも工夫をすれば、階段の一番上へ行ける。他人の人生に“ちょっといいこと”を起こすことにエネルギーと注意を集中せよ。成功はおのずとついてくる(P380)
→前段で話したけど、9章の締め方がカッコいいのよw
というわけで、ギバーが成功する方法を明示して、最後にはギバーになること、ギバーを増やすことへの強いメッセージまで送っていたこの本。恐らく『世の中全体をよくするために、今こそギバーを全員が目指すべき』というような危機感・警鐘の意味もあったんじゃないかな。
今僕自身、仕事もプライベートもいっぱいいっぱいなところがあって、そういう時まさに『責任バイアス』がかかって自分のことを優先したい気持ちになっちゃうけど、それは違うよね。大変な時こと、周囲に感謝し、『与える』。これをしていこう。
やってみるだけの価値はある。