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自民党女性局パリ研修のエッフェル塔写真を全力で擁護する

1年間の育休が明けて復職したが、育児で心身が弱り切っており、育児と仕事の両立は不可能と悟った。3日間だけ仕事をしたものの、すぐ病気休暇を取得して仕事から離れ、結局退職してしまった。当然収入もなくなり、我が家は経済的に危機的な状況なのだが、その話しはまたの機会に。

自民党女性局の議員らがパリ研修に行って、エッフェル塔で写真を撮ってアップロードしたら、猛批判を浴びたらしい。

私は自民党とは一切関係ないし、それを擁護する義理も全くないのだが、もし私が自民党のスタッフだったらこういう言い訳を考えて、自民党女性局の人たちに教えてあげるのになあ、という話し。


今回の研修の主たる目的に加え、我が国において政治と宗教の関係が喫緊の課題となっている今、フランスの経験から学ぶべきことは大きいと考える。フランスでは、特に第三共和制下で政治権力と宗教権力が先鋭に対立し、その解決を模索してきた歴史がある。1898年のパリ万博に際して建設されたエッフェル塔は、両者の対立の象徴とも言うべき存在である。

エッフェル塔の建設当時、パリのモンマルトルの丘にはサクレ・クール聖堂が建造中であり、それは教会がカトリック的フランスの再建の夢を託した、教会権力の象徴となるべき存在であった。共和国はこの石造りの中世風建築に対抗し、共和国の威信を賭けた世俗建築として、近代社会を象徴する巨大な鉄塔を作り上げたのである。300メートルという高さへのこだわりは、モンマルトルのサクレ・クール聖堂を意識したものであった。

もちろん当時のフランスにおけるカトリック教会と、現代の日本において政治への侵食を試みるいわゆるカルト教団とは、直ちに同列に論じることができるものではない。しかし今後の日本における政治と宗教の関係について考察する上で、フランスの経験は1つのモデルとして、欠かすことのできないものである。今回の研修におけるエッフェル塔の視察は、フランスの経験に学び、今後の自民党の政策立案に活かすことのできる、貴重な経験であった。

エッフェル塔建設における高さへの志向と執着は、宗教に対峙する政治権力の毅然とした態度の象徴として、まさに今、我々が学ぶべきものである。エッフェル塔で撮影した写真は、その強い決意を表明したものである。

参考:谷川稔「近代国民国家への道」福井憲彦編『新版世界各国史12 フランス史』(2001年、山川出版社)357-358ページ

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