
エリトリアで借金を 【完結編】 トーキョー・ヨヨギで返済を
「エリトリアで借金を 日本大使館もないアフリカの小国で財布が空っぽに 【前編】
エリトリアで借金を 日本大使館もないアフリカの小国で財布が空っぽに 【後編】
さあとうとう完結です!
ここからは時と場所を移します。2003年、場所は代々木。
思っていた以上に海外生活が長くなった僕ですが、日本に帰ってきてあのとき借りたお金を返しに行くのです。
そのときの顛末、エリトリアというアフリカの小国で、見ず知らずの僕に優しく惜しくお金を貸してくれた「あの人」目線で見たあのときの「僕」もでてきます。
それではどうぞ。
1 日本にて
東京。2003年。
僕は28才になっていた。イスラエルにやっとの思いでたどりついた旅はその後もつづき、ヨーロッパに入ったのち、今度は西アフリカに行き、またヨーロッパに戻って来るという思いつきと行き当たりばったりのルートで、無計画さは最後まで変わらなかった。お金が尽きてイギリスで半年ほどバイトをして、そこで稼いだお金で東ヨーロッパを旅したあと、そうだ、ニューヨークに住もう、とそのままアメリカに7年ほど住み着いてしまっていた。
その間も頭の隅っこでは、あのときエリトリアで握りしめた200ドルのことは消えることはなかった。必ず返しに行きます、そう言って僕はお金を借りたのだ。
ニューヨークに着いて、アパートを見つけ落ち着いたころ、いちど日本のあの人に電話をしたことがある。あのときは半年ぐらいで日本に帰るつもりだったんですが、のびのびになるどころか、これからニューヨークに住もうと思うんです。あのときのお金をこっちから送金しますから。
ここから先は
2,443字
¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?