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「目まぐるしい攻防戦の末に掴んだ勝ち点1」(リーグ第2節・柏レイソル戦:1-1)

割引あり

 先制点はキャプテンの頭から生まれました。
試合後の脇坂泰斗は「触っただけでした」と振り返ります。

「(ゴールシーンは)颯太のボールが素晴らしかった。速いボールを出してもらって決めようと思ったけど、僕でもヘディングで決められるようなボールを出してくれた。彼のアシストが全て。(ボールが)止まって見えた。『こうやって決めるんだよ、ヤストくん』というボールだった」

 脇坂泰斗のヘディングゴールを見るのは珍しいと思います。
本人に聞くと、プロ初ゴールだった2019年清水エスパルス戦以来、2点目だとのことです。


うん、レアなヘディングゴールですね。

柏レイソル戦でのゴールは、ボールを地面に叩きつけるようなヘディングではなく、うまく逸らすようなヘディングで流し込んでいます。「咄嗟に出た逸らし方でした」だと本人は説明します。

「感覚的なところですかね。考えてやったわけではなく、センスというか。強いヘディングはできないのと、厚く当たり過ぎるとGKの正面に飛ぶので。ウチには(ヘディングが)うまい選手がたくさんいるので、技術がないなりにやりました(笑)」

 ヘディングゴールだと、去年の山田新も複数点を決めていました。
チームメートで参考にしたとなると、彼の存在が思い浮かびます。ただ山田新は身体があまりにも違うので、彼ではないと言います。イメージとしては小林悠のヘディングだったと言います。

「どちらかというとユウさん。(ヘディングで)叩くのもうまいですけど、逸らすのもうまいので。鼻先で触ったりとか。そういう選手のイメージでした」

 今年のゴールパフォーマンスであるカスカスダンスからのトゥース!もしっかりと披露。前任者の中村憲剛さんもよく話してましたが、ゴールパフォーマンスを披露するためにはゴールを決めなくてはならないわけで、そのプレッシャーから解放されるためにも、シーズンの早い時期に1点取りたいそうです。脇坂泰斗も安堵しておりました。

「2節でできたのは良かったです。『(ゴールパフォーマンス)待ってます』というのを(サポーターに)よく言われたので、ホッとしてます」

では試合を振り返っていきたいと思います。

この試合に関しては90分を通じて、戦術面の攻防や采配の妙など、最後まで両チームとベンチのハイレベルな駆け引きが繰り広げられた試合だったと感じました。

チームのスカウティングによる分析から外されたことで対応に時間がかかり、守備で後手を踏んだ前半。プレッシャーラインを高くして圧力をかけ、立ち上がりの先制点につなげた後半。失点後のリカルド・ロドリゲス監督が巧みな采配で同点に追いつき逆転を狙いますが、その後は長谷部監督が的確な采配で一進一退の攻防に持ち込みます。

実に読み解き甲斐のあるゲームでしたし、選手にも詳しく聞くことができました。絶対に面白いので、ぜひ読んでみてください!!

ラインナップはこちらです。


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