試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第32節・アルビレックス新潟戦)
9月27日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでアルビレックス新潟戦です。
この新潟戦までのスケジュールを振り返ってみると、試合は中四日で組まれています。つまり、準備する期間は4日しかありませんでした。
韓国からアウェイ連戦だったチームは、前節の名古屋戦(日曜日)から二日間を連休にしています。つまり、4日あるうちの2日間をオフに割り振って、選手たち
を休養させています。
試合前日はセットプレー確認などが主で、あまり多くの負荷をかけないメニューになりますから、しっかりとしたトレーニングとしてやるべきことを落とし込めたのは、おそらく2日前だけだったはずです。もちろん、中三日や中二日に比べたら随分とマシですが、心身に疲労が蓄積されているシーズン終盤にACLエリートと並行しながら、リーグ戦と戦うというのはやはり簡単ではありませんね。
実は鬼木監督は前節(名古屋戦)の負けを、とても悔やんでいました。
まず試合後の監督会見では「何がなんでも勝ちたかったゲームでしたし、選手たちにもそういう話をして送り出しました。あれだけ多くのサポーターがいる中で勝てなかったことを非常に残念に思っています」と切り出しています。
常に勝利にこだわり、そして複数のタイトルを獲り続けてきた鬼木監督が、「勝ちたかったゲーム」と口にすることはあっても、そこに「何がなんでも」という枕詞をつけるのは珍しいことでした。名古屋戦はリーグ戦の単なる1試合ではなく、それ以上に大きな意味を持つゲームであったという含みを持っているように聞こえました。
なぜ「何がなんでも」勝ちたかったのか。
直接対決なので、勝てば順位的に上に行けたこと、そしてACLEアウェイ蔚山戦でタフなゲームを勝ち切った後のゲームだったので、チームが大きく成長できるチャンスでそれを逃してしまったからです。
だからこそ、チームが勝たせられなかった自分に強く責任を感じていました。その感情は、オフ明けになっても変わらなかったようで、試合二日前のオンライン囲み取材では、「自分への怒りもあります」と述べたほどでした。
「自分自身もそこが力不足だったと思いますし、そこの悔しさもあります。何がなんでもという意味では、ゲームの入りや戦術とかいろんなものがありますので、いい時もあれば、悪い時もある。ただそこからの変化は自分でなんとかできるはずですけれども、そこもやっぱり持ってこれなかったっていうのは自分自身の反省だと思います。
自分への怒りもありますし、勝たせることで(チームを)成長させたかった。蔚山のアウェイで勝ったのは初めてで、ああいう形で勝って、でもそういうところで満足してほしくないし、そこが成長のタイミングだと思っているので、自分の中で非常に悔しさが残るゲームでした」
鬼木監督はチームの勝敗の自分に矢印を向けて発言することの多い監督ですが、「自分への怒りもあります」という表現で「自らを斬った」のは初めてだったと思います。ただこの怒りは、きっとこのアルビレックス新潟戦のパワーに変えてくれるはずです。
では、そんな新潟戦の見どころを語っていきたいと思います。
※前節のレビューはこちらです。追記として9月24日に退団が発表されたバフェティンビ・ゴミスに関するコラムがあります。双方の合意の上、円満に契約解除に至ったもので、その経緯を竹内弘明強化本部長が語ってくれました。そして「バフェティンビ・ゴミスとは何だったのか」。彼のターニングポイントになった試合、ACLでの舞台で印象的だったシーンも含めて総括をしています。
では、新潟戦のプレビューのスタート!
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