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「ultra soul」(ACLE MD1・蔚山HD戦:1-0)
川崎フロンターレは「止める・蹴る」の技術にこだわっているチームだと言われています。
よくある勘違いですが、「ボールを止める」と「トラップする」は違います。
トラップすれば、ボールが止まっているわけではありません。大事なのは、次のプレーがスムーズにできる一番最適な位置にボールを置くこと。これが「ボールを止める」と言うことです。
では、なぜボールを止めないといけないのか。言い換えると、ボールが止まらないとどうなるのか。
・・・・わかりますか?
もしボールが止まらないと、コントロールした時に足元を見てしまいます。それは、ほんの1秒もないかもしれません。でも、頭を下げて(ヘッドダウンして)しまうと、その瞬間の視野の確保ができません。そしてボールを奪いに来る相手や、周りの状況確認も遅れます。ヘッドダウンしているので、うまくプレスをかけられると、それだけつかまりやすくなってしまいます。
逆に言えば、足元を見ずにボールを自在にコントロールできれば、目線は下がりません。ヘッドダウンせずに頭は上がっている状態なので、その「時間」で周囲から情報を収集し、相手の出方も確認できます。ボールコントロールにもたついている選手と比べたらミスも減りますし、何より、プレースピードの差は歴然でしょう。言ってしまえば、「止める・蹴る」の目的というのは、そういう「時間」をピッチで作るための手段だと言えます。
なぜこんな話をするのかというと・・・実はここからが本題です。
この試合における川崎フロンターレと蔚山HDの選手たちの「止める・蹴る」の技術を比較したいのではありません。
そうではなくて、ピッチコンディションが選手達のプレーにかなりの影響を与えた試合だったからです。元々、ピッチ状態が良いという印象もないスタジアムでしたが、大雨が続いていたことでさらに悪化したとのことでした。
ピッチには見るからに凸凹があり、パス一つとっても、ボールが不規則な弾みをする可能性がある中でのプレーでした。
あれだけピッチコンディションが悪いと、どんな名手でもボールコントロールでは足元を気にしなくてはいけません。卓越した技術でピッチで「時間」をうまく作りたい選手達にも、それが難しい試合になっていました。
そこで勝負を分けたものは何だったのか。
そんな視点も交えながら、鬼門・蔚山文殊フットボール・スタジアムでの初勝利を、どこよりも熱く読み解いております。
※20日の練習後、鬼木監督と佐々木旭がオンライン取材に対応しました。
週末の名古屋グランパス戦に向けたものですが、ACL韓国帰りということもあり蔚山HD戦の振り返りもありました。鬼木監督は狙い通りに進めたゲームだったこと、佐々木旭は現在の最終ラインに対する手応えと、決勝弾の起点となった場面で、あえて一つ飛ばしでマルシーニョに出した理由などを語ってくれています。全部で約2500文字の追記です。
→■(※追記:9月20日)「みんな声を出し合いながらなんとか無失点で終わろうという意志でやってるので、そこはやってて楽しいです」。佐々木旭が国際試合で感じ始めた成長と、自身が起点となった決勝弾秘話。
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