和菓子通を唸らせる逸品「加賀八幡起上りもなか」
金沢は日本三大菓子処として京都、松江と肩を並べるほど菓子に関しては国内でも抜きん出ているエリアだ
その金沢でも有名なお菓子はいくつか存在している
今回はその中の1つ、金沢うら田の"加賀八幡 起上もなか"をご紹介する
"加賀八幡 起上もなか"とは
そもそも"起上りもなか"とはどのような和菓子かご存じだろうか
ネットで調べてみると起源はあの織田信長にあるのだそうだ
岐阜城(当時は稲葉山城)の奪取を何度も試みるも失敗し、1567年に8度目の挑戦で奪取に成功した織田信長が『我まさに起き上がり最中(さいちゅう)なり』という言葉を残し、
そして最中(さいちゅう)と最中(もなか)をかけて「起上り最中」という名前がつけられたとのこと
つまり起上り最中は岐阜県に由来となる出来事があり、それもあって岐阜県の銘菓として認知されている(最中の歴史もそこまで古くないようで、現在私たちが口にしている最中の原型は江戸時代(1603年〜)に誕生したそうだ)
では金沢うら田の「加賀八幡 起上もなか」とはどんなお菓子なのか
結果から言えば金沢の郷土玩具「加賀八幡起上り」をモチーフにしている
なんでも加賀八幡起上りを作っている老舗郷土玩具店「中島めんや」と当時のうら田の社長が旧知の仲だったこともあり、経緯は不明だが中島めんやに許可を取って商品化へと至ったそうだ(詳細は金沢うら田の歴史がわかる"うら田今昔"を参照)
加賀八幡起上りは子どもの健康と幸せを願って贈られる縁起物として認知されていたこともあり、そのチャーミングな様相と縁起物としてのめでたさを兼ね備えた加賀八幡起上もなかはあっという間に金沢市民の心を掴んで離さない商品となった
加賀八幡起上りもなかは小豆好きにはたまらない
加賀八幡起上りもなかは様々な場所で入手できる
今回はいつもの場所(石川県アンテナショップ いしかわ百万石物語)で購入
1番表情のよかった3個入りを購入
各々の起上りもなかの表情から性格が読み取れるような気がしている
左は「おおらか」中は「おしとやか」右は「ほがらか」と言ったところだろうか
起上りもなかを購入する際には表情をよく見ることをオススメする
このまま"3人"をすぐにお腹に入れてしまうのは忍びないので写真を撮影するのも忘れないように
しかし、3人揃うと絵になるものだ
ピン写真もお手の物
虚空を見つめているような表情、味が出ている
ちなみに纏っているのは赤の衣類は産着だそうだ
赤の産着を脱がせてみると最中にもしっかりと表情が浮き出ている
そして、持った時に若干の違和感を感じた
それは『最中としての想像を超える重み』だ
見た目からは感じられないがずしっとした重量に驚く人は多いだろう
そこで本来なら決して行わないが最中を割って中身の確認を行った
ご覧あれ、まさに"隅から隅までぎっしり"とつぶあんが詰まっている
偶然かどうかを確かめるために写真以外の最中も確認したが、写真同様に最中に入る限りのつぶあんを詰め込んだ様相だった
最中を戻して一口いただいてみる
歯が食い込んだところで、最中に「さっくり」と「しっとり」が同時に成立していることに驚いた
最中の薄い見た目とは裏腹にしっかりとした存在感で中の小豆に引けを取らない味わいだ
そしてこのつぶあん、一言で言えば"最高"だ
小豆のアクがしっかりと取れていて丸みのある甘さだが、キメが細かく口当たりがとてもいい
最中とつぶあんのバランスには惚れ惚れしてしまう
和菓子好きを唸らせる逸品が石川県にあることを誇りに思った瞬間だった
金沢うら田の基本情報
社名:浦田甘陽堂(金沢市御影町)
1936年(昭和11年)創業
"加賀八幡起上りもなか"を筆頭に"いちじくふくさ"や"ゆきほまれ"など人気商品を輩出
本社は金沢市御影町、店舗は泉野町や金沢駅の百番街店をはじめとして様々な場所で展開している
公式サイト:https://www.urata-k.co.jp
オンラインショップ:https://urata-k-store.shop-pro.jp
まとめ
「何度転んでもまた起き上がる」
まさに人生を模したような郷土玩具 加賀八幡起上り
しかし人生では転ぶとなかなか起き上がることができない
そんな時はこの加賀八幡起上りもなかで一息ついてほしい
少し休めば体も軽くなるし、気持ちも変わる
"小さな一歩の積み重ね"を今日もがんばろう
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