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私という人間を形成する要素に「8番らーめん」が食い込んでいた話

あなたには"故郷の味"と呼べる食べ物があるだろうか?

大概の石川県民は「とり野菜」と口を揃えるだろう

しかし、故郷を遠く離れて生活している石川県民はこう答えるのだ

「8番らーめん」

8番らーめんは"地元大好き過ぎ企業"である

8番らーめんとは石川県民であれば必ず一度は食べたことがある県内随一のラーメンチェーン店

石川県で生まれ育った人間は"100%"口にしている、これは決して過言ではない

私も物心ついた頃には8番らーめんを口に含んだ生活を送っていた

思い返すと初めて8番らーめんの普通サイズを1人で食べきった時には自らの成長を感じずにはいられなかったほどだ

他県民にもわかりやすいよう例えるなら埼玉県民でいう"山田うどん"、北海道民でいう"トリトン"みたいなものである


なぜ故郷の味が8番らーめんになるのかを知るため、まずは石川県の説明をする必要がある

石川県民がよく食べている"地元の味"候補としては「寿司」や「とり野菜」「かぶら寿し」「第7ギョーザ」「香箱カニ」「おにゃんこ巻き」などさまざま

これらの候補を押しのけて8番らーめんを故郷の味と言わしめる理由は「北陸にしかお店がない」ことが最大の理由となる

その他候補はネットで購入可能、とり野菜みそにいたっては関東圏でもスーパーの味噌コーナーを放浪すれば普通に販売している(とても重宝しています)

しかし8番らーめんだけは頑なに北陸から出ようとしない、まさに"地元大好き過ぎ企業"と呼ぶことにいささかの躊躇もない

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8番らーめんの出店状況は2020年12月現在で石川県に51店舗、富山県に32店舗、福井県に28店舗、長野県・愛知県に1店舗、岡山県に7店舗(岡山県だけトチ狂ったような集中出店)

合計120店舗のうち92%に該当する111店舗は北陸中に点在している

まさに地元大好き過ぎ企業の名に恥じぬ"地元LOVE企業"

いや、それをも上回る"地元LOVELOVEあいしてる企業"と言わざるをえない

ちなみに金沢カレーの代表格であるカレーのチャンピオンは石川県内に16店舗、ゴーゴーカレーは石川・富山で19店舗と8番らーめんの足元以上、膝未満の存在感である

自宅で8番らーめんを食べると悲惨なことになる

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北陸から一向に進出しようとしていない8番らーめん

かと思いきや、実は自宅で楽しめる自宅用キットを販売している

味の種類は醤油、味噌、塩の3種類

私はこの自宅用キットを全種類購入した強者である

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入手方法は8番らーめん公式オンラインショップもしくはいしかわ百万石物語(石川県アンテナショップ)にて購入可能

実は購入してから知ったのだがオンラインショップでは8番らーめんを余すことなく堪能できる商品セットが販売されており、そちらを購入した方が断然お得だった(4食セットで1,000円など)

作り方はとても簡単でインスタント生麺(ラ◯とか)を作る要領と同じ

沸騰したお湯で麺を茹で、丼にお湯でスープを溶かしたら茹で上がった麺を湯ぎりしてイン、たったこれだけ

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8番らーめんといえば8カマである

8カマとはオレンジがかった赤色で「8」と印字されたかまぼこである

この8カマを見るたびに8カマを先に食べるか後に食べるかで悩んだ幼少期を思い出さずにはいられない

そして8番らーめんの大きな特徴と言うべき要素がたっっっぷり野菜

8番らーめんが私たちに提供しているのは野菜らーめんであり、味付けが異なろうと野菜を摂らせようという姿勢は崩さない

そのため自宅で8番らーめんを作る際にも野菜は欠かせない要素となる

スーパーなどで販売している様々なカット野菜が入った袋を利用すれば手間もかからない

ではここで私が作った自宅用8番らーめんをご覧いただこう

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たっぷり野菜と8カマ、チャーシューとまさに本当の8番らーめんと瓜二つではないか

メンマを買い忘れるという大罪も犯しているが目をつぶってほしい

かろうじて保っていた理性で写真を撮影した私は

特徴的な太麺をすすり、大量の野菜をかきこみ、汁を喉を鳴らしながら飲み干した

あぁ、うまい

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しかし、この自宅用キットには難点がある

それは自宅用キットで作っても求めている故郷の味とはどうしてもズレているように感じてしまうのだ

8番らーめんは店舗により若干味付けが異なり、お気に入りの田鶴浜店の味には程遠く感じてしまったのだ(個人の主観です)

自宅用8番らーめんを食べると結局8番らーめんを食べたいがために帰省してしまう

言い換えるなら石川県民ホイホイではないだろうか

実は関東圏内には"エセ8番らーめん"がある!?

日高屋 (1)

関東圏で生活している筆者だからこそ知れた知る人ぞ知る事実をご教授したい

その事実とは日高屋が8番らーめんの味に最も近い

裏付けとしてコロナ禍にも関わらず上京を強いられた生粋の石川県民 友人Aから『日高屋は劣化版8番らーめん』というお墨付きもいただいた

個人的には日高屋の味噌らーめんが最も8番らーめんの味に近いと感じた(友人Aは塩らーめんだと言っていた)

上京もしくは関東圏へ旅行にきた時には日高屋に足を運んでみてほしい

8番らーめんの今後を考える

私が思うに8番らーめんは今後も関東や関西への出店はしないだろう

それは石川県を離れた人々が帰省した際に、故郷の味として皆の帰りを待っていることに誇りを持っているからだろう

石川に帰省したにも関わらず実家に帰らない場合でも8番らーめんには足を運んでいた

私の血や肉は8番らーめんで作られたのだ

ここまで人を魅了するラーメンチェーン店は他にないだろう

ふと感じたことがある

「なんでやろ、8番」

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