私はNick Fazekasの勝利への意志を尊重する
この記事は川崎ブレイブサンダース【All-In】 Advent Calendar 2023 - Adventar 3日目への寄稿となります。昨日は池ちゃんさんの長崎遠征記(雲仙編)でした。長崎遠征、私も久々に旅行っぽい遠征を堪能しました。2試合目も勝ちたかったな。
ニック・ファジーカス選手が今シーズン限りの引退を宣言しました。「私のバスケット観戦歴」は、「ニックが来日してブレイブサンダースで活躍している時期」とまったく一緒。ニックは、エゴイスティックな選手。他者の目なんかより、自分へ厳しい目を向ける自分自身を大事にしているエゴイスティックな選手。もし川崎に居なかったら私はニックをちゃんと知らなくて、もしかしたら好きじゃなかったかもしれない。でも、私は川崎ファンとして、ずっとニックの姿を見てきて、ずっとニックの勝利への意志を感じて、だから、とても尊敬している。私はニックがとても大事なのです。
ニックとともに過ごしたバスケ応援。今回はその中でも、印象的な試合を思い出してみました。
ブレイブサンダースのニック
【2014年1月 天皇杯準決勝 vs. 和歌山トライアンズ】
まだお正月に一気に試合をしていたころの天皇杯。高校のトップと大学のトップもいた天皇杯。代々木第一の片面が、たいしていないメディア席にされているせいで、HA関係なくそちら側に座れなかった時代の天皇杯。田中大貴がいて、ザックがいて、ベントラメがいる東海大に勝利して迎えた準決勝。和歌山トライアンズとの対戦では、残り46秒マイボール9点差だったはずなのに。あれよ、あれよという間に、まさかの残り0.7秒で同点にされるという…。
(天皇杯は、動画だめだろうし、どうなのかなと思いつつ…どなたかがアップしている動画のリンクを貼っちゃいます)。崩れ落ちる栗原さんの崩れ方がほんと必見。ちなみに、試合後、喜んで、エンドのひな壇で立ち上がってジャンプしているのが私です。
残り0.7秒で、同点スリーを決められ、タイムアウト。タイムアウト後に、ボールを出したのが栗原選手(現 福島AC)。残り0.7秒。ニックは冷静にちゃんと決めてくれました!決めた瞬間崩れ落ちるように膝をついている栗原選手とみんなに囲まれるニック選手の姿。あの試合は、ニックの冷静さを象徴している気がします。今シーズンLastなニックに向けて。Dear ニック・ファジーカスでも栗原さんはこの時のエピソードを話していました。
この試合については、ニックと辻選手のYouTube対談でも、バットパスをしなクリの話、でてきてます。
ちなみに同点スリーは、現川崎のACの木下さんに決められています。45秒9点差は追いつける(追いつかれる)点差として私の中に深く刻まれました。できれば、残り45秒9点差、相手ボールから追いついて、そのうえで勝つ木下さんを川崎で見たい!と、木下さんがACとして来るとチームから報告あってから、ずっと思っています。
【NBLラストイヤー 2015-2016年 プレーオフ ファイナル vs.シーホース】
なんとかなりそうな一戦目を落とし、全然手も足もでない2戦目を当然のように落として…。これは明日の終わってしまうな…と思ったファイナル3戦目。ニックが円陣の中心でずっと何かを語っていました。そして、この日は、辻選手が大爆発デーだったのですが、あつく語るニックが、辻君に火をつけたにちがいない!って今も思います。こちらNBL.TVのチャンネルにダイジェストが上がってました。こちらってもう誰も制御してないやつよね?今に比べるとディフェンス軽めだなとか、この時の段階で、もうみんなそれなりに年齢いってるきがしたけど、なんて若いんだ!とか。
ニックは、YouTubeの辻選手との対談において、若い頃たくさん練習していたことを話していました。レギュラーシーズンが42試合だったNBL時代。基本、試合は土日だけ。若かったニックは、もっと練習するのだ!と。
Every move, shoot shoot shoot, because I think if you practice so hard, so much energy, so many shoot, just different shoot, you know Fade away, One dribble, this, that, the game is too easy. I practice so many times, 500, 600 one week. This is easy.
練習をたくさんするからこそ、試合では簡単に決められるのだ。
I need to motivate myself. On the best, the best important, the best player, but I want to give me better. it was so most far like motivation for me. I need motivated myself, I don’t think about the other. I think about me. I give better.
他の人にどう思われるかではない、自分が自分をより良くしたいと思うのだから、それが一番のモチベーションだというニック。
「自分が良くなって、チームを勝利へみちびくのだ!」という強い意志。チームを勝利に導くのだ!という強い気持ちが見えるから、だからこそ、私はニックを支持します。
【Bリーグ2年目 CS Quarter Final 2,3戦目 vs. 千葉ジェッツ】
Bリーグになってから、川崎はなかなかチャンピオンシップ(CS)で格上相手にナイスゲームをできていないような気もします。が、シーズンを中地区2位で終えたこのシーズンのCSは熱かった。一戦目を落とした次の日の2戦目。その日のニックは、気持ちが切れることなく、何があっても勝つのだ!という姿勢を見せてくれて、鬼みたいな顔で戦っていた。ずっと応援している私も勝てると信じられた。負けても、ああ、すごく良かったなあって思える試合は、私的ファン目線では、あまりありません。だけど、この試合は、数少ない、負けたけど、ほんとにすごく感銘を受けた試合でした。2戦目と3戦目の間(振り返っても謎ルール)に、汗だくになりながら、ファミリーみんなで、絶対勝とう、勝つよ!って、応援も一丸となった印象的な試合です。そして私にとって、「私はニックを強く支持し続ける」と思うようになった試合でもあります。明らかにふらふらななか、ニックが強さと勝利への意志を見せてくれた試合です。
日本代表としてのニック
先日の長崎戦は、機材トラブルで試合が中断しました。Bリーグ、トラブルでの試合延長と言えば、アウェー島根での大雪が印象的です。そんな島根からの帰り道、あるファンの方から、「ニックが空港でずっと漢字ドリルをしていたよ、そして漢字について質問されてしまって緊張したよー」、ということを聞きました。ああ、ニック、本当に帰化するんだなーって思ったそんな日でした。ニックが上海W杯をどう総括しているかはわかんないけど、でもニックなしにあのW杯出場はなかったし、あのW杯出場なしには、今回のW杯もなかったに違いない。
ニックが代表なるまでも、帰化枠はアイラ・ブラウン選手だったり、アイラの前の帰化枠として桜木JR選手だったり。みんな素晴らしい選手だったし、らしさも出してた。ただ、代表でも、ひたすら貪欲に勝利にこだわったのはニック。そして、それはニックらしさだなあって私は思います。
【W杯予選 Window3 vs. オーストラリア戦】
今、振り返っても、ホーム台湾戦 (Window2, トータルには3戦目)、アウェイでのフィリピン戦(Window2,トータルには4戦目)は、勝てても良かった試合だった。でも勝てないのが日本代表だよね、そこが、らしさなの??とか言いたくなっちゃう代表でした(この代表が,,,ではなく、2012年の代表も、2013年の代表も、、、あのあたりずっと)。Window3. 何があっても、オーストラリアに勝てる気はしなかったなあ。そんな中、ニックが、「僕を信じて欲しい、オーストラリアは僕のいる日本代表に勝ったことはない」といった時、「オーストラリアに勝てるわけないじゃん」って私は思ったし、正直なところ選手もそう思っていたのでは?って思ってしまう。たぶん、残り30秒きるまでオーストラリア代表も負けるなんてことは考えたこともなかったんじゃないかな。HCの表情がやっと変わるのがラスト30秒。https://www.youtube.com/watch?v=xnv77VSdJq8
私は、ニックが代表に、「自らが勝利を引き寄せるのだ!」という強い意志を代表にもたらしたって思っています。勝利を強い気持ちで求めないと、勝利はやってこない。勝利はふってこない。勝利をもぎ取るのは、強い気持だ!というのを体現してくれている選手。彼が代表でも強く勝利を求めてくれたこと、すごく嬉しい。そして、代表の帰化枠どーなる!!!??誰だろってドキドキするのも、ニックがもたらしてくれたものじゃないかなって思っています。
Nickはオールマイティな選手ではない。Game dayプログラムで、「もし生まれ変わったら」という質問に対して「もう少しジャンプ力が欲しい」って書いてるのを見て、ああ、そっかあ、そりゃ、そうだよね、やっぱり欲しいよね、ってなった。ニックは、すべてに恵まれた選手ではない。大きな怪我も経験している。手術も経験している。だからからこそ、準備して準備して準備してきたんなろうなあ。若い頃より、スリーをたくさん打つようになった。パスの種類だって増えた。全部ニックが、練習して練習して練習して身につけたもの。
ディフェンスの時、せめて手だけでもあげて…とか思うこともあるけど、おそらくニックは、その時ニックがいいと思ったベストのことをしている。そんなニックが引退きめたってことは、ニックがそれがベストだって思ったっていうことなんだろうなあ。
ニックがBリーグ初で1000得点達成した日が、ついこないだみたいだ。ニックがブレイブサンダースに来た頃、SNSのプロフ欄には、World traveler /Pro basketball playerってあった。World travelerだったニックがずっと川崎でプレーしてくれた。そのプロフがなくなったって気が付いた時、嬉しかった。日本でバスケットボール選手としてのキャリアを再出発できたって書いてくれて、すごく嬉しかった。
新アリーナでもニックのプレーを見れると勝手に思っていた。ワーワーより言われながら、でもニックが思うベストのプレーをするんだろうなって思ってた。今シーズン限りで、ニックのプレーが見れなくなるなんて、まだ全然想像もつかないよ。
だから、今は今のことだけ考えて、ニックのこと、川崎のことを応援する。
すべての川崎の選手が、ニックからたくさんのこと学ぶシーズンになりますように。私が、ニックのプレーを少しでも長く応援できるシーズンになりますように。ニックが自身に対していいシーズンだったと思うそんなシーズンになりますように。
明日はゆうさんです!長崎遠征について!楽しみです!!