図書館かるた【あ】挨拶はしたい
突然ですが、みなさんは図書館のカウンターに行ったときになんと声をかけられますか。おそらくは「何かお探しですか」とか「ご用件は」とか、そんな感じだと思います。少なくとも、私の住んでいる横浜市ではこれが大勢と感じています。
私は、用も何もなくてもカウンターに近づいた人(通りがかった人含む)には「こんにちは〜」と挨拶しています。これにはいくつかの戦略があります。
お客さんを覚えるため
もちろん個人情報をとかって訳でなく、挨拶を交わすことでどんな年代の方がこられているのかなーというのが頭に入りやすくなります。貸出返却の時は本にしか集中できないので、なんとなく「この地域にはこんな人たちが住んでいるんだな〜」という感触だけは私は持っておきたいのです。だって、借りていくのはその人たちなのだから。
声をかけてもらいやすくしたい
もう一つはカウンターで声をかけられやすくなること。自分自身がそうだからってだけなんですが、人って困ったときに初めての人に声かけるのって抵抗ありませんか。日頃から、「こんにちは」「こんにちは」という定型でもやりとりが発生すると、いざ何かあったときに声をかけてもらいやすくなるんじゃないかな。と思っています。
自衛のため
三つ目は、正直防犯のためです。入ってこられたときに挨拶しておくと、自分がなんか安心なんです。コンビニでも同様ですよね。やっぱり夜に一人で遅番とかしてるとちょっと怖いときがあります。一瞬でも、関係性を作るとお互い安心です。
挨拶の図書館的作法
でも、挨拶求めてないよ図書館員に。と思われるかもしれません。
そっと入ってそっと出たいときもありますよね。それはもちろん間合いを取って、そんな雰囲気を醸している人には声をかけません。そもそも、「こんにちは〜」という言葉も、相手にかすかに聞こえるかな〜くらいのひ弱さで発します。図書館を楽しみたい人の邪魔にはならないように。
図書館って静寂が求められるところではありますが、冷たさは演出しなくていいと思うんです。だから、挨拶して本探しの邪魔にならずその方の気分が少しあがる予感がすれば、私は声をかけるようにしています。
関わりが居心地を作る
他館で、挨拶といって思い浮かべるのが横浜市港北区にある「大倉精神文化研究所附属図書館」です。いつも入った瞬間に3人の司書さん、それもカウンターの後ろで事務作業をしている方まで全員「こんにちは」と声をかけてくださいます。なので何回か行きましたが、いつも他のお客さんが雑談したりして、専門図書館なのにとても居心地がよいです。そして言わずもがな蔵書がすばらしい!!あんな図書館員になりたい!!
図書館でも挨拶したっていいじゃない
私も一応、9年働いてきて、挨拶をしたことでクレームを受けたことはありません。挨拶していくとみんな微笑んでくれたりして、私もこの館を通して地域の一員と受け入れてもらった気がしてとても気持ちが温かくなります。
嫌なことがあっても、カウンターに毎日立てるのはそのお陰だと強く感じます。もっと図書館員の方から、こんにちはって言ってみても良いんじゃないかなと思います。楽しくなります。
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